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2018年1月7日(日)

主張

安倍改憲への固執

首相の「理想」押し付けるのか

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 2018年を迎え、改憲に固執し、国会での改憲案発議を進めようという安倍晋三首相の発言が相次いでいます。年頭所感で重点項目に改憲を掲げた昨年の総選挙公約の「実行の1年」にしたいと述べたのに続き、元日付の「産経」座談会では自民党内の議論の加速に「期待」を表明、4日の年頭会見では「今年こそ、憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示し、国民的な議論を一層深めていく」と主張しました。まず自民案をまとめ通常国会やその後の臨時国会で発議を実現、国民投票に持ち込む魂胆です。9条をはじめ改憲を許さないたたかいの正念場です。

自民党案づくりに拍車

 見過ごせないのは首相が、「この国の形、理想の姿を示すものは憲法」「国の形、あり方を考える、議論するのは当然のこと」(年頭会見)と強調するとともに、5日の自民党の仕事始めでのあいさつでは「時代に対応した国の姿、理想の形をしっかりと考え、議論していくのは私たちの歴史的使命だ」とまで述べ、自民党の改憲案づくりに拍車をかけたことです。

 自民党は昨年の総選挙公約で改憲を重点項目に掲げ、自衛隊の明記、教育の無償化、緊急事態対応、参院の合区解消―を検討項目に示しました。しかし自民党内での検討は首相が思ったようには進まず、昨年12月に自民党「憲法改正推進本部」が示した「論点取りまとめ」も、9条改憲について両論併記となりました。国民の多数が改憲を望んでいない以上、自民党内の検討も難航するのが当然です。

 安倍首相の一連の発言はこうした自民党の改憲案づくりを督促するとともに、自民党として「国の姿」や「理想」を積極的に提示する姿勢を露骨に示したものです。

 首相は、「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本理念は今後も変わることはありません」(年頭会見)と繰り返します。しかし、この間首相が進めてきたのは、憲法で政府の活動をしばる立憲主義を乱暴に破壊する政治です。そんな中で、戦争法の下での自衛隊を憲法に書き込み「合憲化」して、「戦争する国」に突き進めば、「国民主権」も「平和主義」も全く言葉だけのものになります。

 安倍首相は自民党仕事始めのあいさつで、わざわざ1955年の「保守合同」を持ち出し「なぜ合同したか。占領時代につくられた憲法をはじめ、さまざまな仕組みを安定した政治基盤の中で変えていくということだ」とも主張しました。首相の持論である、占領下での「押し付け」憲法論にもとづく改憲の本音です。それと現行憲法の「基本理念」を変えないという発言とは相いれません。自民党として改憲のための「国の姿」や「理想」を示し、議論していく発言の危険性は明白です。

国民との矛盾は深まる

 こうした安倍首相の改憲論が国民の願いといよいよかけ離れ、国民の中で孤立するのは避けられません。年明けに報じられた日本世論調査会の調査(3日付「東京」など)でも、憲法9条の改定について過半数の53%が「必要はない」、改憲の国会論議を「急ぐ必要はない」が67%を占めます。

 安倍首相が、現行憲法を戦前に引き戻すような改憲に本格的に乗り出そうとすればするほど、国民の批判と反発がますます高まることは避けられません。


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