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2017年12月12日(火)

ICAN ノーベル平和賞授賞式

さあ 核兵器廃絶へ前進を

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 オスロの市庁舎で10日催されたノーベル平和賞授賞式の後、改めてさまざまな人が核兵器廃絶の決意を語りました。オスロ市内ではキャンドルを持って平和を願うパレードが行われ、オスロ市民のほか、平和団体、被爆者が練り歩きました。(オスロ=島田峰隆 写真も)


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(写真)ノーベル平和賞授賞式に出席した後、記者会見に臨む(左から)日本被団協の田中熙巳代表委員、サーロー節子さん、日本被団協の藤森俊希事務局次長=10日、オスロ

「禁止条約批准へ奮闘」

日本被団協とサーローさんが会見

 ノルウェーの首都オスロで10日に開かれたノーベル平和賞授賞式の終了後、式典に出席した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳代表委員と藤森俊希事務局次長、被爆者のサーロー節子さんがそろって記者会見しました。

 田中さんは「被団協の名前こそないが、被団協のみなさんのことが高く評価されているのだなと思いながら話を聞きました」と強調。「病気や高齢で亡くなった仲間もいるが、核兵器禁止条約、核兵器のない世界をつくろうとがんばってきた運動が評価されていると感じました」「批准国を増やすためにがんばりたい」と語りました。

 藤森さんは「私の周囲でも演説した2人の話を、涙を流して聞いている人がいました。参加者の心を揺さぶる発言でした。これらを今後の活動の土台にして核兵器のない世界をつくるために努力したい」と述べました。

 サーローさんは「素晴らしい拍手、真剣な拍手を頂きました。それだけわれわれと同じ思いをする人が世界に増えたのだという満足感、達成感が強くあります」と述べました。ノルウェーをはじめ核兵器禁止条約に未署名の国に対し、「批准へまた一つ背中を押すことになったと思います」と語りました。

 また安倍政権の核兵器禁止条約に加わらない姿勢について「米国との密着ぶりがあまりにもはやいスピードで進んでおり、震えるほど怖がっている」と印象を語りました。日本に対し「今の機会を逃さず、政府と市民が討論を続けてほしい」と訴えました。

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(写真)コスタリカのエレン・ホワイト大使=10日、オスロ

「市民社会が重要な役割」

ホワイト禁止条約国連会議元議長語る

 10日にオスロで開かれたノーベル平和賞授賞式には、核兵器禁止条約を採択した国連会議で議長を務めた中米コスタリカのエレン・ホワイト大使も出席しました。同大使は「しんぶん赤旗」の取材に対し、式典の感想を以下のように語りました。

 今日の授賞式は、ノーベル平和賞の歴史の中でも最良のイベントになったと思います。核兵器によって体にも精神にも壊滅的な打撃を経験した方がノーベル賞のメダルを受け取るのは初めてのことです。その瞬間を目撃できたのは特に素晴らしいことでした。

 式典での演説は、現在の国際関係の中で市民社会が果たすことのできる重要な役割を示したと思います。私たちは、今回の受賞が核兵器のない世界へ向けた新しい強さと動きの始まりになることを心から希望しています。

 コスタリカとしては、核兵器禁止条約を採択した国連会議の議長を務めることによって、この動きに貢献できたことを感動を持って受け止め、誇りに思い、うれしく感じています。核兵器禁止条約に対して、聴衆から拍手があったことは感動的です。

 今日の式典にはコスタリカの外務大臣も出席しました。外務大臣の出席は、コスタリカがその歴史を通じてずっと軍縮に関与してきたことを世界に証明するものだと思います。

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(写真)10日、ICANのノーベル平和賞受賞を祝ってキャンドルを持ってオスロ市内を歩く人たち

「勝利をわれらに」

オスロ市民らキャンドル行進

 ノーベル平和賞の授賞式が行われたオスロ市内で10日、国際的なNGOの連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の受賞を祝って世界から集まった人々やオスロ市民がキャンドル行進を行いました。ノルウェー平和評議会が呼び掛けた行動です。

 参加者は氷点下の寒さの中、「おめでとうICAN」と書かれた横断幕を先頭に「これからも前進しよう」と訴えながら歩きました。

 集結地点のグランド・ホテル前の広場に参加者が到着すると、ホテルのバルコニーから、授賞式で演説した被爆者のサーロー節子さんとベアトリス・フィンICAN事務局長があらわれ、手を振ってあいさつ。参加者は「ウィ・シャル・オーバーカム」(勝利をわれらに)を合唱して、歓声を上げました。

 出発前の集会では、ICANのレベッカ・ジョンソンさんが「平和賞は人道を最優先にして各国政府と力を合わせて運動してきたすべての人に対してのものだ」と強調。「すべての政府に核兵器禁止条約に署名と批准をさせよう」と訴えました。

 英労働党の影の内閣で平和軍縮大臣を務めるファビアン・ハミルトン下院議員が連帯の演説を行いました。

 オスロ在住の高校生、ヘドウィグ・シー・ベーメーさん(16)は「テレビ中継でサーローさんの演説を聞いて感動してここに来ました。ノルウェー政府は被爆者の声を受け止めて核兵器禁止条約に署名するべきです」と話していました。


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