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2017年12月3日(日)

総選挙の教訓と課題をつかみ共闘前進と新たな党躍進を

日本共産党 第3回中央委員会総会開く

志位委員長が幹部会報告

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 日本共産党は2日、党本部で第3回中央委員会総会を開きました。会期は3日までの2日間。志位和夫委員長が、(1)総選挙の教訓と課題(2)政治情勢の特徴と当面するたたかいの課題(3)2019年の参院選と統一地方選挙での新たな躍進をめざして―党活動と党建設の方針を主題に幹部会報告を行いました。この中で、安倍9条改憲反対の一点での空前の国民的大運動など来年の通常国会、再来年の参院選を展望したたたかいを呼びかけるとともに、党勢拡大の上げ潮をつくりだすため、参院選1年前となる来年7月までに、党員、「しんぶん赤旗」日刊紙、日曜版読者で前回参院選時を回復・突破する目標に正面から挑戦しようと訴えました。報告を受けた討論で24人が活発に発言。報告は党内通信・インターネットで全国各地で視聴されました。


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(写真)報告をする志位和夫委員長=2日、党本部

 志位氏は、「日本共産党の躍進」「市民と野党の共闘の勝利」の二大目標にてらして総選挙結果を報告。日本共産党の比例代表議席・得票の後退には「党の力不足」があること、党公認候補を擁立してたたかった206の小選挙区では半数を超える選挙区で得票を伸ばし全体として健闘したこと、市民と野党の共闘では共闘破壊の突然の逆流と分断を乗り越え「次につながる重要な成果」を得たことを指摘しました。

 この選挙結果と今後の展望をとらえるうえでも、総選挙で日本共産党が果たした歴史的役割をつかむことは重要だとのべ、その役割を選挙戦の三つの段階で明らかにしました。

 第一は、国民の世論と運動に追い詰められて解散・総選挙に打って出た安倍自公政権が最も恐れたのは、市民と野党の共闘の成功であり、日本共産党が解散の動きがおこるとただちに「共闘で迎え撃つ」と表明、共闘体制づくりで最大の努力を注いだことです。

 第二は、民進党の希望の党への「合流」という共闘が崩壊の危機にひんした瞬間の対応です。日本共産党が「逆流と断固たたかう」「共闘を決してあきらめない」との二つの態度表明を行い、ただちに行動を開始したことがその後の共闘の再構築の流れにつながりました。

 第三は、公示までのわずか1週間余の短期間で共闘が再構築できた力には、全国の草の根の市民連合の人たちの頑張りと、日本共産党が共闘勢力一本化のために67の小選挙区で予定候補を降ろす決断があったことです。

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(写真)志位和夫委員長の報告を聞く3中総参加者=2日、党本部

 志位氏は、「もしも逆流と分断の動きを成功させていたら、市民と野党の共闘が破壊されただけでなく、改憲勢力による二大政党化が急速に進む危険、日本の政界が改憲翼賛勢力によって覆われるという重大な危険があった」と指摘。市民連合の人たちと揺るがず共闘の旗を掲げ、逆流を止めて将来の展望を開いた日本共産党の重要な歴史的役割を確信にし、共闘の本格的発展、党躍進のために力を尽くそうと呼びかけました。

総選挙の教訓と課題

 市民と野党の共闘を前進させながら、いかにして日本共産党の躍進をかちとるか―。総選挙の教訓を踏まえた今後の課題でまず強調したのは、野党共闘の勝利と党躍進は両立しうることです。市民と野党の共闘こそ安倍自公政権に代わる「受け皿」であることが広範な有権者に伝わるたたかいができた選挙区では、共闘候補が自民党候補に競り勝ち、共闘で果たした共産党の役割も鮮明となって比例代表でも得票を伸ばしている経験を紹介しました。

 そのうえで、党独自の努力として、▽日本共産党をまるごと理解してもらい、積極的支持者を増やす日常的活動を抜本的に強める▽どんな情勢のもとでも共闘勝利、党躍進を実現する強く大きな党をつくりあげる―という2点を強調。選挙活動を日常化するために、(1)比例代表選挙を選挙戦はもとより、あらゆる党活動発展の軸にすえる(2)後援会活動を選挙活動の日常化の要にすえ、抜本的強化をはかることを提起しました。

政治情勢の特徴と当面するたたかい

 志位氏は、当面するたたかいに関して総選挙後に発足した第4次安倍政権をどうとらえ、どういう構えでのぞむかについて、四つの角度から報告しました。

 第一は、総選挙での自公3分の2議席は、小選挙区制がつくった「虚構の多数」であり、野党共闘への逆流と分断が自民党への最大の「援軍」となるとともに、「森友・加計疑惑」・改憲の争点隠しという“三つの仕掛け”によるものであり、安倍政治への国民多数の信任を意味するものではないということです。

 第二は、国民の批判、国会質疑、野党の追及を恐れ、そこから逃げようという安倍政権の姿勢が際立ったものとなっていることです。特別国会での質疑でも、まともに議論を行う姿勢もなければ能力もないことが露呈。これらは、安倍政権の政治的な行き詰まり、国民的基盤のもろさと弱さを自ら告白するものにほかなりません。

 第三は、侵略戦争を肯定・美化し、歴史を偽造する改憲右翼団体「日本会議」と安倍政権との一体化が深刻なものとなり、9条改憲の道を暴走していることです。政権の特異な危険性を示すとともに、その基盤を不安定にし、国民との深刻な矛盾を広げざるを得ません。

 第四は、安倍自公政権は国会で多数を持っていても、すすめる主要課題への支持は国民のなかでは少数であり、頼みにしていた政権の補完勢力も総選挙後、いよいよその政治的立場を失い、混迷を深めていることです。

 「あらゆる分野で、国民の切実な要求にもとづいて安倍暴走政治を包囲するたたかいを発展させる先頭に立って奮闘しよう」と訴えた志位氏は、直面する北朝鮮問題での日本共産党の立場を力説するとともに、来年の通常国会、再来年の参院選を展望した当面のたたかいとして、国政私物化疑惑、憲法問題、暮らしと経済、原発問題、沖縄米軍基地問題、核兵器禁止条約の六つをあげ、それぞれの核心点を報告しました。

 これらの国民運動を発展させるうえでの日本共産党の構えとして、(1)市民と野党の共闘の共通課題の実行の先頭に立ち、共闘を豊かに発展させる(2)党綱領にそくして先々の展望を語る党独自の活動に大いに取り組む―という2点を強調しました。

参院選、統一地方選での新たな躍進めざして

 志位氏は、次の全国的選挙は2019年春の統一地方選、7月の参院選となることが想定されるとして、「二つの全国的選挙で新たな躍進をかちとることを前面にすえ、党活動と党建設の新しい発展をかちとるために全力をあげる」と表明しました。

 次期参院選では、全国32の1人区すべてで市民と野党の共闘を実現し勝利をめざすこと、本来選挙協力は相互的なもので、そうしてこそ力を発揮し、持続・発展できるとして、16年参院選、17年総選挙のような候補者を一方的に降ろす対応は行わず、あくまで相互推薦・相互支援の共闘をめざすと強調しました。さらに日本共産党の新たな躍進をかちとるために、「比例を軸に」を貫き比例代表で「850万票、15%以上」を目標にたたかい、選挙区選挙では現有3議席(東京、京都、大阪)を絶対に守りぬき、議席増をめざすと強調しました。統一地方選では、27回党大会決定で明確にした目標に正面から挑戦しようと呼びかけ、遅くとも来年3月までに予定候補者を決定し、勝利にむけた取り組みをスタートさせようと訴えました。

 さらに、来年2018年を「党と国民との新しい結びつきを豊かに広げ、党大会決定にもとづく法則的活動を全面実践し、腰をすえて党の力をつける年にしていくようにしたい」と強調。党活動と党建設を着実に前進させるために、(1)大志とロマンある生きた政治目標を決め、日常的・意識的に追求(2)草の根の運動の先頭に立ち、結びつきを豊かに広げる(3)双方向での「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を気軽に繰り返し開く(4)党大会決定の新鮮な生命力を全党員のものにする新たな努力(5)「楽しく元気の出る支部会議」「地区委員会活動の強化」と一体に党勢拡大の前進(6)世代的継承―民青同盟を強く、大きくする活動(7)財政活動の抜本的強化―の7点を呼びかけました。

 この中で「党員拡大を根幹にすえて党勢拡大を前進させることは、総選挙の最大の教訓」として、参院選1年前の来年7月末までに、党員で1万1千人、「しんぶん赤旗」日刊紙読者で1万3千人、日曜版読者で6万3千人を増やし、16年の参院選時を回復・突破する目標に全党が正面から挑戦することを呼びかけました。

 志位氏は最後に、「党創立100周年にむけた5年間の最初の年―2018年を、2019年の全国的政治戦―統一地方選挙と参議院選挙での新たな躍進を準備する実り多い年とするために全力をあげよう」と訴えると、会場から拍手がわきました。


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