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2017年11月23日(木)

8億円値引き 根拠に疑問

次は政治の責任で解明を 関係者の証人喚問不可欠

森友 会計検査院報告

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 「独立している会計検査院で、しっかりと調査をしていただきたい」―。学校法人「森友学園」への国有地の格安売却問題が国会で取り上げられるたびに、安倍晋三首相は検査院の調査を盾に追及から逃げてきました。調査開始から約8カ月。検査院は22日、売却価格の試算根拠がことごとく「確認できない」と国会に報告しました。報告がでたいま、政府と国会には疑惑の真相究明に力を尽くす責務があります。これ以上の疑惑逃れは許されません。(佐久間亮)


写真

(写真)森友学園がすすめていた小学校の建設現場。元は国有地だった=大阪府豊中市

 問題の核心は、当初約9億円で売られるはずだった大阪府豊中市の国有地が、なぜ8億円以上値引きされたのかです。値引きできないとはねつけられていた案件が、現職の首相の妻が名誉校長に就任したとたん「神風が吹いた」(籠池泰典・前学園理事長)ように動きだす。値引きの根拠とされたのは、国有地の地中に眠っているとされる大量のごみでした。

 財務省と国交省は価格算定にあたり、深さ3・8メートルから最大9・9メートルまでごみが埋まっているとし、さらには「将来的なリスク」まで勘案して値引きを実行しました。

平均より高め

 しかし、検査院は今回、3・8メートル、9・9メートルともに、ごみの存在が裏付けられなかったと報告。ごみの混入率も「平均より高めに算定されていることも考えられる」とし、実際のごみの量は国の試算の3〜7割だった可能性があるとしました。過大な見積もりをもとに巨額の値引きがされていたことになります。

 国会やメディアの追及によって、問題の国有地で小学校の新設を目指していた学園側が、資金不足を理由に国側に大幅な価格引き下げを求めていたことが明らかになっています。

 系列の幼稚園で「教育勅語」を暗唱させるなど、安倍首相の政治信条と強い親和性を持つ森友学園の教育理念に妻の昭恵氏が共感し、開設予定の小学校「安倍晋三記念小学院」(その後「瑞穂の國記念小學院」に改称)の名誉校長に就任したのは2015年9月。事態はここから急展開します。

 名誉校長就任の翌月に昭恵氏付きの政府職員が学園側の要望を財務省に照会。16年3月には、財務省側が学園側に対し、ごみ撤去費の名目で売却価格を引き下げるストーリーを説明していたことも明らかになっています。

 現首相の名前を背景になされた要求に財務省が応え、学園側が購入できる額まで逆算したことによって、ごみの過大な見積もりが生じた疑いがますます強まっています。

追及の先頭に

 日本共産党は、この問題を宮本岳志衆院議員が国会で初めて取り上げるなど、追及の先頭に立ってきました。財務省や国交省は「記録は存在しない」「廃棄した」「記憶がない」との答弁を連発。検査院は報告で、国側の文書管理についても改善を求めました。

 検査院が言い訳に使えなくなることを見越したのか、安倍首相は最近、検察の捜査を追及逃れの口実にしだしています(21日の日本共産党の志位和夫委員長の代表質問に対する答弁)。これまでの答弁からしても許されない態度です。昭恵氏や売却に直接かかわった財務省職員など関係者の国会招致はじめ、国会での徹底した真相究明が必要です。


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