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2017年11月23日(木)

生活援助に回数制限

訪問介護 2.4万人を対象に

厚労省提案

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 厚生労働省は22日、訪問介護で洗濯や調理を行う「生活援助」サービスを1日に複数回利用した場合、保険者である市町村が利用について確認・是正する仕組みを設ける方針を示しました。社会保障審議会介護給付費分科会に報告されました。財務省が月31回以上の利用を「効率的なサービス提供が行われていない」として削減を求めていたものに沿った見直しで、利用抑制につながりかねません。

 厚労省は、生活援助中心型サービスについて「全国平均利用回数+2標準偏差」を超える利用を「通常の利用状況と著しく異なる」と指摘。基準を超える訪問介護を行う場合は、ケアマネジャーが市町村にケアプランを届け出ることとし、そのケアプランについて市町村で「地域ケア会議の開催等で検証を行うこと」としました。“著しく異なる”とした利用回数は、要介護2で月33回、要介護3で42回など。生活援助利用の約2万4千人が対象となるとしています。

 一方、厚労省の自治体調査によると、訪問回数が多い48件のうち、保険者が「適切なサービス」と回答したのは46件で、「適切でない」としたものはわずか2件でした。

 同日の分科会で、認知症の人と家族の会の田部井康夫委員は「認知症の人にとっては月31回以上の利用が必要な状況は十分に想定される。自治体調査をみるとほとんどの人に認知症があり、月31回以上の利用が必要なのが現実だ」と指摘。自治体調査により在宅ケアの厳しい実態が浮き彫りになったと述べ、「回数が多いことを取り上げるならば在宅ケアの方向性を示す好事例として取り上げられるべきだ」と強調しました。

 生活援助 訪問介護サービスのうち、入浴や食事、排せつなどの援助といった身体に直接触れて行う「身体介護」以外のサービスです。掃除、洗濯、調理などの日常生活を援助するサービスで、住み慣れた居宅で暮らし続けるうえで重要な援助です。


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