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2017年11月14日(火)

最後まで「不認可」の意見

加計疑惑 設置審専門委員、本紙に証言

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 安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設申請=愛媛県今治市で開設予定=を審査した文部科学省の大学設置・学校法人審議会の専門委員会委員が、13日までに本紙の取材に応じました。同氏は、安倍内閣が獣医学部新設の要件として閣議決定した「4条件」(別項)に、同学園が適合しているか「審査していない」と証言。審査では最後まで「(認可にふさわしくない)不可とすべき」だという意見が委員から出たことを明らかにしました。(三浦誠)


 加計学園の申請を実質的に審査したのは設置審の専門委員会です。14人の専門家で構成され、教育・研究内容や教員数などに法令違反がないか審査します。審議は初回に是正を求める意見が相次いだため、異例の3次までもつれ込みました。

 取材に応じた委員によると、文科省は「4条件は、ここで審査する案件ではない」と委員会で述べました。「現在の獣医教育を知る大学関係者であれば、申請は4条件を満たしていなかった。しかし4条件はアンタッチャブル(不可触)だった」と言います。

 設置審の答申は、実習のために「外来患畜数を確実に確保すること」と、加計学園に改善を求める条件を付けています。同氏によると、140人もの学生が参加する臨床実習で使用する病気の動物が今治市で十分確保できているか、ということが問題になりました。「車で片道約2〜3時間かかる学外で実習する計画もあった。加計側は、夏期長期休暇などを利用して実習すると変更したが、本当に大丈夫か」と疑問を呈します。実習は3次の最終答申まで問題になり、「不可」を主張する委員もいました。

 第2次の答申では、二つの是正意見がつくと不認可判断となります。実習に対する是正意見に加えて、家畜衛生学分野の教員構成が十分でないことから是正に相当する意見が二つとなりました。しかし「文科省からは『教員の構成で不可にすることは前例がなく難しい』といわれた」と語ります。

 審査について同氏はこう振り返ります。「設置審の審査は、答えを教えながら何回も試験するようなものだ。要するに設置基準を満たせばいいだけ。だから第3次の最終答申では『合格』に至った。忸怩(じくじ)たる思いだ」


【4条件】

 ▽既存の獣医師養成ではない構想▽ライフサイエンス(生命科学)など新分野での具体的な需要▽既存の大学・学部では対応困難▽獣医師の需要動向を考慮する


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