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2017年11月8日(水)

主張

獣医学部の開設

「加計」疑惑は解明されてない

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 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」が、愛媛県今治市の「国家戦略特区」に開設を計画している獣医学部について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会が近く会議を開き、正式認可するといわれています。設置審は学校施設や教育内容を審査する機関ですが、52年ぶりといわれる獣医学部の新設そのものがどのような経過で決まったのか、首相の働きかけはなかったのか、疑念が残ります。総選挙前も最中も疑惑の解明は行われず、特別国会での審議の直前を狙ったかのような認可の強行は即刻中止すべきです。

首相の長年の友人が計画

 「加計学園」の獣医学部開設をめぐる疑惑は、首相が深く関わったとみられる点でも、愛媛県や今治市の費用負担の大きさでも、今年初めから問題になった大阪の学校法人「森友学園」の小学校建設(現在は中止)への国有地の格安払い下げなどの疑惑を上回る、国政を揺るがす大問題です。

 問題の発端は獣医師が足りていると半世紀以上も認めてこなかった獣医学部の設置が、今年1月、長年の首相の友人、加計孝太郎氏が理事長の「加計学園」に認められたことです。用地は今治市が提供し、総事業費のうち100億円近くを愛媛県と今治市が負担することになっており、その後「国家戦略特区」を所管する内閣府が獣医学部設置を審査する文科省に、「総理のご意向」とか「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えた文書の存在が明らかになりました。

 菅義偉官房長官は「怪文書」などといって全面否定、当時の松野博一文科相もたった1日だけの調査で否定しようとしましたが、今年初めまで官僚トップの文部科学次官を務めた前川喜平氏が在任中見せられたと証言、文科省もその後の調査で文書の存在をしぶしぶ認めざるを得ませんでした。

 その後も和泉洋人首相補佐官が「総理は自分の口では言えないから私が代わって言う」と前川氏に認可を迫っていたことや、萩生田光一官房副長官(当時)が「官邸は絶対やると言っている」などと文科省に伝えていたことなどが次々発覚、首相と官邸の関与は動かしがたいものになっていました。

 安倍首相は6月までの通常国会では説明責任を果たさず、自民党は加計理事長の証人喚問も拒否、国会終了後、日本共産党などが憲法にもとづいて要求した臨時国会開催要求にも応じす、3カ月もたって9月に開いたと思ったら冒頭解散を強行するなど、徹底して疑惑解明に背を向けてきたのです。

国会での追及が必要

 安倍首相は通常国会閉幕後の閉会中審査では、それまでの説明を変えて、1月に「国家戦略特区」の会議で獣医学部設置が決定するまで「加計学園」の計画自体を知らなかったと主張しました。「腹心の友」だと認めながらそんな言い訳は通用しません。その後も、前川氏を含め開設に便宜を図るよう私(首相)に指示された人はいないとか、「国家戦略特区」の会議は全て公開されているなどとごまかしましたが、会議に「加計学園」の関係者が出席していたことさえ認めてきませんでした。

 政治がゆがめられた疑惑は濃厚です。認可を急がず、特別国会で疑惑を徹底解明すべきです。


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