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2017年11月6日(月)

沖縄に“日本版”海兵隊

防衛省検討 基地の半永久化

20年代前半

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(写真)日本共産党の穀田恵二議員が暴露した内部文書に示されている沖縄への陸上自衛隊配備計画

 陸上自衛隊は来年3月、離島などへの着上陸作戦を専門とする“日本版”海兵隊といわれる「水陸機動団」を新設し、2個連隊・約2100人を相浦駐屯地など(長崎県佐世保市)に配備します。この水陸機動団をめぐり、防衛省内で、同部隊を在沖縄米海兵隊がグアムに移転する2020年代前半に米軍キャンプ・ハンセン(沖縄県名護市、恩納村、宜野座村、金武町)に1個連隊を配備する案が、次期「中期防衛力整備計画」(19〜23年度)を見据えた選択肢の一つとして検討されていることが分かりました。

 防衛省・自衛隊がハンセンを含む在沖縄米軍基地の共同使用・共同訓練の拡大を計画していることは、2015年3月3日の衆院予算委員会で日本共産党の穀田恵二衆院議員が、独自に入手した自衛隊内部資料で暴露しています。これに対して中谷元・防衛相(当時)は「さまざまな検討は実施している」と答弁しましたが、現在もこの“検討”が進行していることがうかがえます。

 将来、沖縄から米軍が大幅に引き揚げたとしても沖縄に基地を半永久的にしばりつける重大な動きです。ただ、県民世論や米側の思惑もあり、実現にはハードルがあります。

“日本版”海兵隊計画

穀田議員が暴露 実現には高い壁

 穀田議員が暴露した内部資料は、「日米の『動的防衛協力』について」と題し、12年7月に統合幕僚監部防衛計画部が作成したもの。その内容は、沖縄県のキャンプ・シュワブ(名護市、宜野座村)、キャンプ・ハンセンなどに普通科連隊の部隊を配備(図)。ホワイトビーチ(うるま市)、津堅島、金武ブルービーチ(金武町)などでの上陸作戦や、北部訓練場(国頭村、東村)での「対ゲリラ戦訓練」や伊江島補助飛行場(伊江村)での「降下訓練」「離発着訓練」など、沖縄を日米共同の特殊作戦の訓練場にする計画が示されています。

 在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は3月の記者会見で、「将来的には自衛隊がキャンプ・シュワブを利用することがよいのではないか」「沖縄におけるすべての基地で米軍・自衛隊の統合が可能だと考えている」と強調しています。

 また、8月の日米外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では自衛隊の態勢を強化するためなどとして、在日米軍基地の共同使用を促進することを再確認しています。

 一方、水陸機動団のキャンプ・ハンセン配備は在沖縄米海兵隊のグアム移転後とされていますが、20年代前半に開始するとされている移転計画は順調ではありません。米海兵隊のネラー総司令官は5月、グアム移転計画の修正を米軍が検討していることを明らかにしています。グアムやテニアン島での環境問題で計画が進まないなど、大幅な遅れも予想されています。

 さらに、戦前の旧日本軍による住民の殺害や「集団自決」強要の歴史もあり、自衛隊の大増強に対する県民の反発も予想されます。

 水陸機動団の沖縄配備に関する最初の報道(「朝日」10月31日付)について、小野寺五典防衛相は2日、記者団に「3個目(の連隊)については、新編するかどうか、その先の場所についても検討していない」と述べました。


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