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2017年9月28日(木)

主張

柏崎刈羽原発審査

住民に逆らう再稼働許さない

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 田中俊一氏から更田(ふけた)豊志氏に委員長が交代した原子力規制委員会が、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機について、規制基準に「適合」するとの審査書案を公表しました。福島原発事故を起こした東電にとっても、福島原発と同じ沸騰水型の原発についても初めての審査書案です。規制委の了承、意見募集後に正式決定し、保安規定などの認可や、地元同意が得られれば再稼働する段取りです。福島県民や新潟県民も強く反対しており、米山隆一知事は福島事故の検証が終わるまでは再稼働の議論をするつもりはないと明言しています。再稼働は許されません。

「決意」は安全保証しない

 巨大な地震と津波への対策を欠いた福島第1原発は、2011年3月の東日本大震災で全電源が喪失、運転中の1〜3号機で炉心が溶融して原子炉建屋が爆発するなどし、放射能を周辺に飛び散らせました。事故から6年半たっても溶け落ちた核燃料の所在さえ正確に確認できず、廃炉や汚染水処理なども予定通り進まず、周辺町村では広い地域で立ち入りが制限されたままです。安倍晋三政権は避難区域の縮小や県外避難者への援助の打ち切りなどを強行しましたが、県内外の避難者はいまだに数万人単位で残されています。

 事故の原因究明は途上なのに、事故を起こした当事者の東電に、しかも事故と同じ沸騰水型の原発の再稼働を認めるなど、許されることではありません。原子力規制委は田中前委員長が9月20日の委員会で、東電に「経済性より安全性を優先する」などと約束させて、東電の運転資格を認めました。しかし福島事故が証明しているように、いったん事故が起きれば取り返しがつかない被害をもたらす原発について、安全性を優先させるなどというのは当たり前の話で、東電が「決意」を表明したからといって安全性が保証されるものではありません。

 それどころか柏崎刈羽原発を再稼働させなければ事故を起こした福島原発の廃炉の費用さえ確保できないと公言してはばからない東電や、再稼働を推進する安倍政権などの姿勢は、安全より、もうけ最優先そのものの態度です。

 もともと原子力規制委の規制基準は福島事故以降も地震や津波の最低限の基準を見直しただけで、「適合」と判断されれば原発が安全と認められるわけでないことは規制委自身繰り返し表明しています。「適合」と認められようとしている柏崎刈羽原発は過去に中越地震や中越沖地震を起こした地震の常襲地帯にあります。07年の中越沖地震では予想をはるかに超える揺れに見舞われ、変圧器の火災や天井クレーンの破損、放射能を含んだ水の漏れ出しなどの大きな被害がもたらされました。柏崎刈羽原発の地盤は軟弱で問題があるとも指摘されており、審査に「適合」と認められただけで、事故の再発を防ぐことなど不可能です。

被災者も住民も力合わせ

 福島原発事故の後、全国の原発が停止している間も電力不足など起きていないのに、安倍政権と電力業界は規制委が「適合」と認めた原発は再稼働させると、原発を推進しています。東電の原発再稼働は安全軽視、国民無視の最たるものです。被災者、再稼働反対の知事を誕生させた県民、国民の力で再稼働を阻止する正念場です。


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