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2017年9月17日(日)

主張

核兵器禁止条約

問われる被爆国政府の立場

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 7月の国連会議で採択された核兵器禁止条約への各国の署名がいよいよ20日から開始されます。条約は50カ国が批准してから90日後に効力を発します。国際政治も、市民の運動も、条約発効にむけた新たな段階を迎えます。

20日から各国の署名開始

 核兵器禁止条約への署名という形で、全ての国に「核兵器のない世界」への態度が具体的に問われます。核保有大国はこれまで、核不拡散条約(NPT)再検討会議などで「核兵器のない世界」を実現すると繰り返し確認してきました。その誓約を果たすためにもいまこそ禁止条約に署名し、その一歩を踏み出すべきです。同盟国は「核の傘」に頼る政策を見直す時です。世界の流れに逆行する、北朝鮮の核・ミサイル開発は、直ちに中止されなければなりません。

 被爆国の日本政府の姿勢はとりわけ厳しく問われます。日本は禁止条約を交渉する国連会議に参加せず、安倍晋三首相は「署名、批准を行う考えはない」と述べてきました。禁止条約は核保有国と非核保有国の「分断」を深めるということをその理由にし、日本は「橋渡し」をするとしています。しかし、核保有国に同調、追随して、どうして仲介をはたすことができるでしょうか。

 禁止条約に背を向ける本当の理由は、アメリカの「核の傘」のもとにあることです。

 安倍政権は、アメリカの「核抑止力」=「核の傘」が「自衛」に不可欠という立場をとっています。アメリカも核戦力で日本を守るとのべています(2月10日の日米首脳会談)。日本は「自衛」のためには、アメリカの核兵器の使用やその威嚇を認めているのです。

 これは、「(核兵器の使用がもたらす)破滅的な人道的結果を深く憂慮し…すべての国がいかなる核兵器の使用も防止する責任」を持っているとした核兵器禁止条約とは相いれないものです。しかも、核兵器の使用とその威嚇とともに、それを援助、奨励、勧誘することも禁止した条約のもとで「核の傘」を維持することはできません。

 核兵器禁止条約の調印開始に際して、いま日本政府に問われているのは、核兵器の非人道性を身をもって体験した被爆国として、そうした兵器を再び使用することを認めるのかどうかという、根本的な問題でもあるのです。

 核兵器禁止条約に署名し、日米核密約の破棄と非核三原則の厳守・法制化など日本の真の非核化に踏み出すべきときです。そうしてこそ北朝鮮への核・ミサイル開発放棄も、いっそう強く、説得力をもって迫ることができます。

世論と運動の発展こそ

 今年の原水爆禁止世界大会は「すべての国が速やかに核兵器禁止条約に参加し、核兵器の完全廃絶に取り組むことを求める世論を大きく発展させよう」と呼びかけました。

 20日から「ヒバクシャ国際署名」をはじめ草の根の行動をつなぐ世界同時行動(「平和の波」)が始まります。地方議会からも禁止条約の署名・批准を求める意見書が上がっています。今月末からの臨時国会でも条約の署名は重要テーマの一つとなるでしょう。

 核兵器禁止条約に署名・批准する被爆国の政府を実現するためにも、世論と運動の発展が強く期待されています。


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