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2017年9月6日(水)

主張

防災への取り組み

災害多発国の政治が問われる

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 防災週間(5日まで)では防災の日(1日)を中心に全国で避難訓練などさまざまな取り組みが行われました。7月の九州北部豪雨、昨年の熊本地震、6年半前の東日本大震災―。繰り返される大きな被害は、日本が「災害多発国」である事実を突き付けています。これまでの災害から教訓を引き出し、あらゆる事態に備えることが重要です。国民の命と財産を守ることを最優先にする政治の役割が求められます。

どこでも起こりうる

 地震の要因となる複数のプレート(地球表面を覆う岩板)が周辺で重なり合う。世界の活火山の1割弱が集まる。夏から秋にかけて台風の進路にあたる―。このような地理的位置や気象などの自然条件にある日本は、世界で有数の災害が発生しやすい国です。加えて近年、記録的な豪雨が頻発し災害は新たな様相をみせています。

 5日で発生から2カ月となった九州北部豪雨の被害は依然深刻です。困難に直面している被災者に寄り添い、生活と生業(なりわい)の再建へ政府は従来の制度の枠を超えた施策を含め支援を強化すべきです。

 九州北部豪雨以降も、局地的豪雨による河川の氾濫や浸水被害は各地で後を絶ちません。過去に経験のない豪雨はどこでも起こりうるものです。地球温暖化の進行の影響も心配されています。

 山間部では土石流や土砂崩れなどへの警戒と監視、対策の強化が必要です。コンクリートに覆われた都市部では、短時間の大雨で低い土地や道路、地下街に大量の雨水が流れ込むなどして大きな被害を出すことが指摘されています。それぞれの地域が抱えるリスクと特徴を踏まえた防災と避難の仕組みづくりは不可欠です。

 昨年の熊本地震では、活断層のかつてない複雑な動きが被害を広げました。全国に約2000の活断層があるとされる中、過去の地震の教訓から学び、建物の耐震化などの加速が求められます。

 静岡県沖から宮崎県沖までのびる海底の溝「南海トラフ」に沿って起こるとされる巨大地震や、首都直下地震への備えは待ったなしです。「南海トラフ」地震について政府の中央防災会議の部会は8月末、「予知」を前提にした現在の対策の見直しを提起しました。巨大津波などによる甚大な被害を減らすため、国など関係機関は英知を集めることが急務です。

 異常気象や地震・火山活動の活発化とともに、都市部の人口集中や無秩序な開発、地方の過疎化・高齢化も被害を広げる要因になっています。巨大開発の推進は、防災にとって逆行そのものです。地震・火山国の日本で原発を推進することは許されません。いまも多くの住民に避難生活を強いるなど、深刻な東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえるなら、原発ゼロを実現すべきです。

被災者支援の拡充こそ

 1995年の阪神・淡路大震災の被災者の粘り強い運動で、被災者生活再建支援法が成立(98年)してから来年で20年です。この間、被災者の住宅を再建するうえで一定の役割を果たしていますが、まだまだ不十分です。支援金額の引き上げ、支援対象の拡大など制度の見直しは喫緊の課題です。

 災害に備え、被害を抑え、国民の安全と安心を保障することは、日本の政治の大きな責任です。


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