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2017年9月4日(月)

主張

北朝鮮核実験強行

緊張いっそう激化させる暴挙

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 北朝鮮が6回目となる核実験を強行しました。北海道を越えて太平洋に落下させた8月29日の弾道ミサイル発射に続く暴挙です。国連安保理決議などへの違反であるとともに、7月の国連会議で核兵器禁止条約が採択されるなど、国際社会が「核兵器のない世界」へ向けた新たな前進をめざしているもとで、これに真っ向から挑戦する重大な行為です。国際世論を無視し、世界と地域の平和と安定を脅かす、危険な軍事的挑発を繰り返すことを、北朝鮮はやめるべきです。

世界の大勢に逆らう行為

 北朝鮮の核実験は、昨年9月9日の同国建国記念日に強行したことに続くものです。今年も建国記念日が近づき、国際社会が自制を求め、対話による事態打開を模索している最中での強行でした。

 北朝鮮は核実験発表の声明で「攻撃の対象と目標によって核弾頭の威力を任意に調整できる高い水準に到達した」とのべ、米国本土を核攻撃できると威嚇しました。8月に実施された米韓合同軍事演習は、北朝鮮にとっては脅威となる問題ある対応ですが、だからといって核武装を強化することは正当化できません。

 7月7日の国連会議で、国連加盟国の約3分の2の賛成により採択された核兵器禁止条約は、人類史上初めて核兵器を違法化した画期的な条約です。今月20日からは、同条約への各国の署名が始まろうとしています。その中で核兵器への固執は世界の流れに完全に逆らうものです。北朝鮮があくまでも核・ミサイル開発を続けるならば、みずから国際的な孤立を深める結果にしかなりません。

 いま最も危険なのは、米朝間の軍事的緊張がエスカレートしていく中で、当事者の思惑や意図にも反し、偶発的な事態などで武力衝突につながる現実的な可能性が生まれ、強まっていることです。

 8月29日の弾道ミサイル発射について、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、グアム島をけん制するための「前奏曲」と挑発的な発言をしたり、米国のトランプ大統領が同日の声明で軍事的選択肢を示唆したりしています。

 激しい言葉の応酬と、軍事的な挑発行動がさらに繰り返されれば、思わぬ軍事的な衝突を招くことは否定できません。そんなことになれば深刻な被害を受けるのは韓国と日本です。このような事態は絶対に避けなければなりません。

 日本共産党の志位和夫委員長は8月12日の声明で、米朝両国が軍事的恫喝(どうかつ)をエスカレートさせる深刻な情勢の下で、「危機を打開するために無条件で直接対話に踏み出す」ことを呼びかけました。今回の北朝鮮の核実験強行という新たな事態のもと、この提起はますます緊急で切実になっています。

「対話否定」の姿勢改め

 米朝の軍事的な衝突の危険の高まりを危ぐし、世界各国から「制裁だけで解決できない」と対話を求める声が上がっています。8月末の国連安保理議長声明は、対話を通じた平和的包括的な解決を呼びかけています。米国も軍事的圧力を強めつつも、対話解決を探る動きもしています。

 安倍晋三政権は、「対話のための対話は意味がない」として軍事・経済の圧力一辺倒を強める姿勢を改め、米政府に対話の必要性を説くことに力を注ぐべきです。


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