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2017年8月9日(水)

2017年版防衛白書 南スーダン情勢 「戦闘」全面削除

「日報」隠ぺい 特別監察言及なし

オスプレイ墜落「不時着水」とわい曲

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(写真)南スーダン派遣施設隊日報

 小野寺五典防衛相は8日の閣議で、2017年版防衛白書を報告しました。南スーダンの首都ジュバで16年7月に発生した大統領派・副大統領派の武力紛争について、陸上自衛隊のPKО(国連平和維持活動)派遣部隊は「日報」で「戦闘が生起」したと明記しましたが、白書は「発砲事案が発生した」と記述しました。

 「紛争当事者間の停戦合意」などPKО参加5原則が維持されているという体裁をとるために、「戦闘」発生を否定し、「発砲事案」としてきた国会答弁に合わせた形です。「戦闘」の記述を覆い隠すため、「廃棄した」などとして防衛省・自衛隊ぐるみで日報を隠ぺいしたことへの無反省ぶりが鮮明です。

 さらに、13年12月に首都ジュバで発生した最初の大統領派・副大統領派の武力紛争について、14〜16年版白書では、「首都ジュバにおいて大統領警護隊同士で戦闘が発生したのを契機に、政府与党内の派閥抗争の激化に発展した」と記述していましたが、17年版では「大統領警護隊同士で戦闘が発生した」との記述を削除しました。

 これも、「発砲事案」などとする国会答弁に合わせ、あわてて削除したと見られます。

 また、日報の隠ぺい問題に関する特別防衛監察が3月から開始されましたが、これについて白書はいっさい、ふれませんでした。

 昨年12月に沖縄県名護市安部で発生した米海兵隊のMV22オスプレイの墜落事故について、沖縄県は「墜落」と断定したのに対して、白書は「沖縄県名護市東海岸の沖合に不時着水した」と記述しました。しかし、機体は大破しており、米軍準機関紙「星条旗」も「墜落」と報じています。事実の隠ぺい・わい曲が際立っています。

 防衛白書は当初、1日に公表される予定でしたが、7月28日に辞任した稲田朋美元防衛相の巻頭言が掲載されていたため、延期されていました。


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