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2017年7月25日(火)

安倍政権 疑惑にこたえず

衆院 閉会中審査

加計 側近「記憶にない」連発

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 安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設が「総理のご意向」とされる問題や稲田朋美防衛相の日報隠ぺい疑惑をめぐり24日、衆院予算委員会は安倍首相が出席しての閉会中審査を開きました。安倍首相は「丁寧な説明を重ねる」としましたが、加計問題について側近たちが「記憶がない」を連発。また稲田氏を「これからも責任を果たしてほしい」とかばうなど、国民が求める真相究明に背を向けました。日本共産党からは宮本徹、笠井亮の両議員が質問に立ちました。(関連記事)


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(写真)質問する宮本徹議員=24日、衆院予算委

宮本徹氏ただす

 予算委には文部科学省の前川喜平前事務次官と、同氏が加計問題の「キーマン」と指摘する和泉洋人首相補佐官が参考人で出席。前川氏は和泉氏から官邸に呼び出され、「総理が自分の口からは言えないから、代わりに自分が言う」と獣医学部推進を求められたと証言。この問題で9月9日から10月にかけて計3回、和泉氏と会ったことを明らかにしました。

 この発言について、和泉氏は「記憶はまったく残っていない。したがって言ってない」と否定。他方、獣医学部新設を「スピード感をもって取り組むことが大事」と求めたことは認めました。

 和泉氏が圧力をかけ始めた時期は、内閣府が「平成30年(2018年)4月開学を大前提に」「官邸の最高レベルが言っている」と、開学時期を指定して文科省に推進を求めた時期と重なります。

 国家戦略特区の担当は内閣府です。宮本氏は「なぜ内閣府を差し置いて前川氏を呼んで急がせたのか」と質問。和泉氏は「直接はこの業務に関与していない」と本来は担当外であることを認めたうえ、「首相からの指示はない」と答弁しました。

 安倍首相も和泉氏への指示を否定しましたが、担当外の和泉氏が獣医学部推進を働きかけたことを「当然のこと」と擁護。宮本氏は前川氏と和泉氏の証言が食い違っていることに言及し、「証人喚問が必要だ」と求めました。

 また松野博一文科相は「加計学園への伝達事項」とする文書について、民進党の玉木雄一郎議員の質問に、同省の内部文書であることを明らかにしました。

 この文書は日本共産党の小池晃書記局長が参院文教科学委員会(5月25日)で取り上げたもの。国家戦略特区諮問会議(議長、安倍首相)が獣医学部新設の規制緩和を決定(昨年11月9日)した前日に、文科省が加計学園に計画の改善点を伝達事項としてまとめています。加計学園に事業者が決まるのは、この内部文書から2カ月以上後で、「加計学園ありき」で進んでいたことを示すものとなっています。

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(写真)質問する笠井亮議員=24日、衆院予算委

日報隠ぺい 稲田氏の罷免拒否

笠井氏が追及

 一方、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の「日報」隠ぺい問題で、稲田朋美防衛相は「隠ぺいするとか非公表を了承することはない」と自身の関与を否定。安倍首相は、野党が要求している稲田氏の罷免について「引き続き徹底的な調査を行い、改めるべき点があれば改善し、再発防止を図ることにより責任を果たしてもらいたい」と述べ、拒否しました。

 日本共産党の笠井亮衆院議員は、稲田氏が隠ぺい疑惑をめぐり特別防衛監察の聴取を受けたことについて、「前代未聞。それ自体、大臣の資格がない」と厳しく批判。その上で稲田氏をかばい続ける安倍首相自身の責任と隠ぺいへの関与について追及しました。

 笠井氏は、廃棄したとされていた「日報」のデータが保管されていたことが岡部俊哉陸上幕僚長に報告されたときなど、要所要所で安倍首相が黒江哲郎防衛事務次官らと会っていたことを示し、「対処方針を指示していたのではないか」と指摘。安倍首相は「日報が残っていたという報告を受けたことはない」とした上で、「監察の最中。報告を待ちたい」と述べるにとどめました。

 笠井氏は「特別防衛監察を隠れみのにすることなど許されない」と批判し、国会の責任で真相究明すべきだと述べ、隠ぺい疑惑の渦中にある稲田氏をはじめ黒江事務次官や岡部陸幕長らの証人喚問を強く求めました。(関連記事)


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