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2017年7月20日(木)

主張

陸自日報隠蔽問題

稲田氏は疑惑の真相を明かせ

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 陸上自衛隊が、南スーダンPKO(国連平和維持活動)派兵部隊の日報を廃棄したとしながら、実際には保管していた問題で、稲田朋美防衛相が省内の緊急幹部会議で、保管の事実を非公表とする方針を了承していた新疑惑が浮上しました。日報問題をめぐっては、廃棄したとの説明が虚偽だったばかりか、陸自内に日報は存在しないとの説明とつじつまを合わせるためデータを消去したと既に報じられ、大問題になっています。稲田氏が了承した非公表の方針を受け、データを消去した疑いもあります。稲田氏は疑惑を否定していますが、徹底究明が必要です。

防衛相の資格は既にない

 日報は、昨年7月に南スーダンの首都ジュバで起きた政府軍と反政府軍との大規模な武力紛争を「戦闘」と明記し、安倍晋三政権の「衝突」などという説明とは異なり、深刻な内戦状態にあることを生々しく記録しています。

 昨年9月30日のジャーナリストによる情報公開請求に対し、防衛省は12月2日、陸自は日報の文書もデータも既に廃棄したとして不開示を決定しました。ところが、その後、陸海空自衛隊をまとめる統合幕僚監部(統幕)内で日報のデータを見つけたとして、今年2月7日に一部が公表されました。

 一方で、3月に入りメディアの報道で、統幕だけでなく、陸自でもデータを保管していたことが1月中旬に判明し、既に廃棄したという従来の説明と矛盾するため、2月にデータを消去していたことが発覚しました。これを受け、稲田氏は事実解明のため、元検事長を責任者にする特別防衛監察の実施を表明しました。しかし、それから4カ月がたつ今も監察結果は出されていません。

 日報のデータを陸自が保管していた問題は、2月14日の衆院予算委員会で日本共産党の笠井亮政策委員長が追及していました。陸自内の日報データの存在について対応を協議した緊急幹部会議が開かれたのは翌15日で、公表する必要はないとの結論に稲田氏も異議を唱えず、了承したと報じられています。その方針を受け陸自内のデータを消した可能性もあります。

 稲田氏は、日報について陸自内では「用済み後廃棄」となっていると繰り返し国会答弁していました。加えて、統幕で日報のデータが見つかったのは稲田氏が再捜索を指示したからだと、自らの“指導性”を強調していました。

 しかし、陸自のデータ保管を知っていた上、その事実を隠すことを了承していたとなれば、指導性どころか、防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽(いんぺい)に加担し、虚偽の答弁を意図的にしていたことになります。防衛相の資格は全くありません。

問われる首相の任命責任

 稲田氏は、日報をめぐる防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽疑惑だけではなく、森友学園との関係についての国会での虚偽答弁も追及されてきました。先の東京都議選では、自民党候補の応援演説で「防衛省・自衛隊としてお願いしたい」と呼びかけ、自衛隊を“私物化”し、憲法や法律はもちろん、社会的な常識さえ持ち合わせていないことを示しました。

 稲田氏に閣僚の資格がないことは既に明らかとなっており、直ちに辞任すべきです。稲田氏をかばい立てしてきた安倍首相の任命責任も厳しく問われています。


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