2017年6月2日(金)
米軍また合意破り
嘉手納 旧駐機場使用 町長「強い憤り」
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在韓米軍の烏山(おさん)空軍基地所属のU2偵察機3機が5月31日、沖縄県嘉手納町の米空軍嘉手納基地に飛来し、一時的に配備されました。U2は日米両政府が合意した移設に伴い使われなくなるはずだった旧海軍駐機場を使用しています。嘉手納町の當山宏町長は同日、沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長と面談し、「旧海軍駐機場の使用を一切行わないようにしてほしい」と要求しました。當山町長に聞きました。
海軍駐機場は住宅地から数十メートルしか離れていません。近隣住民は上空を飛ぶジェット機の爆音に加え、駐機場で行う航空機のエンジン調整音(それに使用する電源車の音を含む)の騒音、排ガスの悪臭に、24時間悩まされてきました。
それはもう40年来続く被害でした。1996年のSACO合意で日米両政府が、駐機場を住宅から離れた滑走路の反対側へ移設することで合意。それからさらに20年をかけて今年1月にやっと移設が実現したのです。エンジン調整による騒音や排ガスの悪臭がなくなったことは、一向に改善されない上空からの爆音被害にさらされ続ける住民たちが実感できた数少ない「負担軽減」だったのです。安堵(あんど)を感じたその矢先であり、強い憤りを抱かざるをえません。
先日の嘉手納基地のパラシュート降下訓練も、「伊江島で行う」とするSACO合意違反です。いとも簡単に政府間合意を反故(ほご)にする。これでは米軍との信頼関係は完全に損なわれるでしょう。
海軍駐機場の移設には多額の日本政府の予算が使われています。日本政府にはしっかりと米国政府や米軍に合意を守るよう言っていただきたい。