「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年4月18日(火)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 『資本論』は、冒頭の章で「前歯を折る」と戦前から言われてきました。マルクスも序文で「すべて初めはむずかしい」ということわざを引き、第1章(商品)のむずかしさに読者の理解を求めています▼以前、職場で『資本論』の学習にとりくんだことがあります。「価値形態論」に入ると、むずかしいという声が一斉にあがりました。“前歯が折れそう”になりました▼とくに貨幣が生まれる秘密を含んだとされる「簡単な価値形態」が難解でした。初版で調べると、「簡単だから分析がいささか困難」とあります。一瞬、「簡単だから?」と首をかしげました▼容易なということではなく、単純なという意味です。商品の中のいろんな規定が未発展で、隠され、分析が困難というわけです。マルクスは「抽象力」を働かそうといいます。特別な知識がなくても、ていねいに読めば分かるようになっています。読むたびに、分かるところが増えた実感も得られます▼マルクスも、叙述の改善にかなり努力しました。エンゲルスの忠告を受け入れ書き直した経過を、不破哲三さんが雑誌『経済』の『資本論』第1巻150年特集の連載で紹介しています▼この特集で経済学者の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんは「もっとも大きな知的衝撃を受けたのは、価値形態論」と書いています。「本というものはこれだけのものを遺(のこ)すことができるのだ、という希望を与えてくれた」とも。来年はマルクス生誕200年。記念すべき年に、自分の歯でかんで面白さを味わいたい。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって