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2017年4月2日(日)

主張

政府の「実行計画」

これでは「働き方」の改悪だ

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 政府の「働き方改革実現会議」が3月28日に「実行計画」を決定しました。安倍晋三首相は「労働法制史上の大改革」と自賛しますが、その実態は労働者と国民の願いに背く「働き方」改悪です。

長時間労働に「お墨付き」

 いま長時間労働が働く人の心身の健康を傷つけ、子育てや地域社会など日本社会の発展を妨げている下で、この是正は切実な国民的要求であり、日本経済と社会の健全な発展にとっても急務です。

 ところが政府の「実行計画」は、時間外労働について罰則付きの上限を新設しているものの、繁忙期の上限は「月100時間未満」という驚くべき内容です。休日労働を含めれば「年960時間、毎月80時間」まで働かせることが可能であり、すでに製造大企業などの職場で横行している異常な実態に「お墨付き」を与えるものです。

 過労自殺した電通社員の高橋まつりさんの母・幸美さんが、「過労死をさせよ!ということを認める法案でしょうか」と指摘したとおり、「過労死ライン」超の長時間労働を容認する基準では、労働者の命と健康を守る歯止めには到底なりません。

 「同一労働同一賃金」では、基本給・一時金について企業の判断による「違いに応じた支給」をすればよいとし、非正規労働者・女性労働者への差別と格差が固定化されています。

 最低賃金は時給1000円をめざすとしつつも、達成まで数年かかる「年率3%程度」という従来の速度を変えず、地域格差是正の立場はありません。

 「非雇用型テレワーク」など、労働法の保護や雇用保険・社会保険の枠外に労働者を追いやる、「雇用関係によらない」使い捨ての低賃金・不安定就労の拡大も企てています。

 これらは財界の利益を代弁した雇用破壊に他ならず、改革の名に値しません。政府は関連法案の国会提出・成立を狙っています。特に財界の要求の強い「残業代ゼロ」法案の早期成立に執念を燃やしています。安倍「働き方改革」の偽りを暴き、真に労働者の立場での根本的改革こそ必要です。

 同時に、「看板」のみであっても、政府に時間外労働の上限規制や「同一労働同一賃金」などを掲げさせた背景には、労働者・国民のたたかいと世論があります。安倍政権がこの課題に本気で取り組むというなら、まず「残業代ゼロ」法案をただちに撤回し、すでに国会に対案として提出されている4野党共同法案の審議に応じるべきです。

 企業にとっても、働く人をつぶすやり方に未来はありません。企業の目先の利益を最優先するのでなく、国民生活を大切にする経済政策への転換が不可欠です。

人間らしく働ける社会へ

 日本共産党が訴えている「8時間働けばふつうに暮らせる社会」に多くの共感が寄せられています。長時間労働の解消・過労死根絶のための緊急提案(3月3日発表)では、残業時間の上限は「週15時間、月45時間、年360時間」とし、最低11時間の勤務間インターバル規制導入、残業代の割増率強化などを求めています。

 過労死を増やす安倍「働き方改革」を許さず、人間らしく働けるルールの確立、経済と社会のまっとうな発展のため、職場・地域から国民的運動を広げましょう。


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