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2017年3月12日(日)

主張

「森友」格安取引

首相も与党も解明責任果たせ

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 大阪の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)が4月に開校予定の小学校用地として財務省・近畿財務局から破格の価格で国有地の払い下げを受けていたことが発覚して1カ月―。「森友」側は申請取り下げや理事長「退任」を表明しましたが、弁解は一方的で、格安払い下げの経過も語らず、「森友」の虚偽の届け出なども明らかになり、疑惑は広がるばかりです。安倍晋三首相らは開き直り、自民党や公明党は違法性が明確でないと籠池氏や当時の理財局長の国会招致に消極的ですが、国民の財産をめぐる疑惑の解明は、これからますます重要となっています。

疑念深まる異例払い下げ

 「森友学園」が大阪・豊中市内の国有地を、小学校建設を理由に、最初は国有地では通例あり得ない賃貸契約で手に入れ、賃貸料を値切りに値切ったあげく、今度は売買契約に切り替えて、地下に廃棄物が埋まっていたからと10億円近い評価額から約8億円値引きさせた破格の安値で購入、しかもそれさえ10年間の分割払いを認めさせたという事実は、驚きを通り越して、文字通り国民の怒りの対象です。当事者の近畿財務局は、「森友」との詳しいやりとりは文書を残していないからと明らかにせず、安倍首相も、担当の理財局が国会で問題はないと答弁しているからとそれ以上解明しようとしません。

 本来あり得ない取引には政治家などの関与が当然予想されるのに、日本共産党の小池晃書記局長が国会で、自民党の鴻池祥肇(よしただ)参院議員事務所の面談記録を突き付け、賃貸料値引き交渉への働きかけや他の政治家の関与をただしても、首相は自党の議員の行為についてさえ調査しようとしません。内閣を統括する首相としても自民党総裁としても全く無責任です。

 小学校は一時期「安倍晋三記念小学校」と名付けられ、首相の妻の昭恵氏が講演などで訪問し、つい最近まで「名誉校長」を引き受けていました。それさえ詳しい経過を明らかにしない首相の態度は、不当なかばいだてといわれても弁解の余地はありません。

 「森友」が木造校舎の建設費を補助する国と大阪府、騒音対策などを助成する空港運営会社にそれぞれ別の工事金額を報告し、大阪府より約3倍の金額を申請した国(国土交通省)からはすでに5645万円の補助金を受け取っていたことも判明しました。府より2倍近い工事費で申請した運営会社からも1億5000万円近い助成金の支給が内定していました。虚偽の申請なら「補助金詐欺」「助成金詐欺」の疑いさえ濃厚です。「森友」が府に提出した資料で籠池氏の経歴を偽装し、愛知県の中学校への「推薦枠」や予定教員の名簿にも虚偽があったなど新たな疑惑も明らかになっています。解明は文字通り喫緊の課題です。

疑惑ある以上招致は当然

 安倍首相が不正は明白でないからと調査しようとしないことや、与党が違法は明らかでないと関係者の国会招致に同意しないのは論外です。不正や違法が明らかなら警察・検察が捜査すべきです。それを待たず、疑惑がある以上ただすのは国政を調査する国会の責務です。税金の使い方は会計検査院も調査しますが、検査院任せは通用しません。籠池氏や財務省関係者に証言を求めないのでは、疑惑解明に背を向けたことになります。


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