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2017年3月10日(金)

きょうの潮流

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 ワンコインランチとは? 500円ランチのことかと思いきや、コンビニで菓子パン一つかカップ麺の「100円ランチが当たり前」。こう訴えるのは出版産業で「取次」と呼ばれる問屋業で急増する非正規労働で働くAさんです▼時給が安すぎて、携帯電話もテレビも持てない。だから社会のことが全くわからないという同僚も。時給は1500円を掲げて春闘でたたかいたいと語る笑顔が救いです▼「非正規労働者の問題は出版界の構造を抜きに考えられないし、言論や表現の自由にかかわる」と出版労連出版研究室の橘田源二室長。出版産業は、各出版社が本や雑誌を出す↓いろんな本や雑誌を全国に運ぶ取次業者↓書店↓読者という流れ。利益は上から厚く、↓の下ほど薄いのです▼出版産業全体の売り上げは1996年がピーク、2兆6千億円でした。現在ピーク時より1兆円も売り上げが落ち込み、弱いところにしわ寄せがいくと橘田さん。街の書店は、新刊本や多彩な雑誌が入らず廃業がすすみ、アマゾンなど書籍通販の増大も重なり取次に非正規が急増しました▼本離れとネット志向が年々強まるなか、出版界の格差と貧困は、「将来的な文化にかかわる問題」。名だたる出版社の社長や書籍協会、雑誌協会の会員などによる懇談会でも議論が始まっています▼幼児期に接する童話は豊富なのに思春期から読む本が少ない。受験本はあっても、人間として文化的な感性を育てる本の貧しさ。どうするか、関係者の模索がつづきます。


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