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2017年2月7日(火)

主張

辺野古の海上工事

民意より「米国第一」の暴挙だ

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 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる同県名護市辺野古への新基地建設で、防衛省の沖縄防衛局が海上での本体工事の着手を強行しました。トランプ米新政権の閣僚として先週末に来日したマティス国防長官が、安倍晋三首相らに“一にも二にも辺野古だ”と新基地建設の推進を強調したばかりです。今回の海上工事着手は、首相が10日に控えたトランプ大統領との日米首脳会談の手土産にしようとする思惑が濃厚です。世論調査で7〜8割が辺野古新基地に反対する沖縄県民の意思よりも米国の要求を最優先する言語道断の暴挙です。

巨大ブロック大量投入

 新基地建設に向けた工事は、翁長雄志沖縄県知事による大浦湾など辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しをめぐる昨年末の最高裁の不当判決を受け、「臨時制限区域」を示すフロート(浮具)の設置などが再開されていました。これに続いて強行された海上工事ではまず、埋め立てを行うための護岸工事などにより汚れた海水が周辺に拡散するのを防ぐとして「汚濁防止膜」を設置します。「汚濁防止膜」を固定するため、重量約11〜14トンもの大型コンクリートブロックを228個も海底に投下します。

 コンクリートブロックの大量投下は、サンゴ礁を直接押しつぶす危険のほか、潮流を変化させ、辺野古の貴重な生物の生息環境を破壊する恐れがあります。沖縄県は、「汚濁防止膜」の設置とコンクリートブロックの投下による影響を判断するため、沖縄防衛局からの回答内容を確認するまで実施を見送るよう求めていました。ところが、沖縄防衛局は県の要請を無視して海上工事に着手しました。

 稲田朋美防衛相がマティス国防長官に新基地の「一日も早い」完成を誓ったように、今回の着手は沖縄の民意を無視して新基地建設を推し進めようとする安倍政権の強権姿勢をあらわにするものです。菅義偉官房長官は「国と沖縄県の双方とも互いに協力して誠実に対応し、埋め立て工事を進めていく」と述べました。どこが「誠実」なのか。翁長知事や県民への侮辱にほかなりません。

 海上工事着手を受け、埋め立て区域に隣接する米海兵隊キャンプ・シュワブ前に駆け付けた名護市の稲嶺進市長は「大浦湾の多様な生物同様、うちなーんちゅ(沖縄県民)の生存が脅かされようとしている」と訴えました。

 辺野古の新基地建設が県民の命と暮らしを深刻に脅かすことになるのは明白です。

 新基地は、昨年末に辺野古の目と鼻の先にある名護市安部(あぶ)の海岸に墜落した米海兵隊機オスプレイの一大拠点になるからです。沖縄本島中北部に集中する海兵隊基地などと一体的に運用され、基地機能は格段に強化されます。米軍の調査でも事故原因が特定されていないのに、オスプレイの飛行や空中給油訓練の再開を「理解」した安倍政権の下で、新基地の危険性はいよいよ重大です。

全国が連帯して阻止を

 翁長知事は、辺野古に新基地を絶対に造らせない決意は不変であり、埋め立て承認の「撤回」も視野に入れて、あらゆる権限を駆使して工事を阻止する考えです。

 新基地建設を許さない沖縄と本土の連帯したたたかいを大きく広げる時です。


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