「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年2月3日(金)

MX「ニュース女子」 問われる報道倫理

東京新聞「反省」したが…

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 沖縄県東村高江で米軍オスプレイパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」「金で雇われている」などとデマ攻撃した東京MXテレビ「ニュース女子」で東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が司会を務めたことについて、東京新聞は2日付1面で、「『ニュース女子』問題 深く反省」「論説主幹・深田実が答えます」という記事を掲載しました。


写真

(写真)「ニュース女子」問題で「深く反省」を表明した東京新聞2日付

論説副主幹の責任に触れず

 記事は、「ニュース女子」の内容について「本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なる」「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません」としています。

 さらに「他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています」としたうえ、長谷川論説副主幹が出演していたことについて「重く受け止め、対処します」としています。

 同日の5面に掲載した「読者部だより」では、榎本哲也読者部長が、長谷川論説副主幹の出演問題での厳しい批判や社としての見解表明を求める電話、ファクス、メールなどが読者部に届いただけでも250件を超えたことを明らかにし、「1カ月にわたり連日、ご意見が相次いでいることに、きょうまでお答えしていませんでした」と謝罪しています。

 しかし、深田論説主幹も榎本読者部長も、同紙として長谷川氏の責任をどう問い、対処するのかについては触れていません。

大株主 “人ごと”ではない

 長谷川幸洋氏は「東京新聞・中日新聞論説副主幹」の肩書で「ニュース女子」に出演しています。

 同氏は「私はジャーナリストが本業」「記者が社説と異なる主張をする自由こそ、ジャーナリズムの基本だ」(「現代ビジネス」13年2月1日)とかねがねジャーナリストとしての自負を口にしてきました。

 しかし、東京MXテレビが1月2日に放送した「ニュース女子」では、事実確認もなく、反対派の声を一切聞かずに行われたデマリポートを制止することもしませんでした。

 そればかりか、次の週の番組では、番組にたいして抗議が殺到したことを「炎上した」と紹介したうえ「こういうふうに報道するとこういうふうにどう喝されるのがよく分かった」と、完全にデマを流す側に立つ発言をしました。

 これは、報道に携わる者に最低限求められる倫理観やバランス感覚を欠くもので、「ジャーナリスト失格」と宣告されてもしかたがありません。東京新聞がどれだけ厳しく対処できるのかが注目されます。

 深田論説主幹が2日付の記事で「他メディアで起きたこと」といっていることも疑問です。

 「ニュース女子」の沖縄デマを放送した地上波テレビ局は、東京MXテレビだけです。他の局は、あまりにもひどい番組内容に、放送を見送るだけの見識を示しました。

 東京MXの第2位の大株主は発行済み株式の6・27%を所有する中日新聞社です。MXテレビの不見識は、東京新聞にとって、人ごとではないことを深く受け止めるべきです。

 (竹腰将弘)

市民が抗議 沖縄からも駆けつけ

 東京MXテレビが1月2日に放送した番組「ニュース女子」はデマで沖縄への偏見をあおるものだとして、市民180人が2日、東京都千代田区のMXテレビ本社前で抗議行動をしました。

 沖縄から駆けつけたヘリ基地反対協議会共同代表の安次富(あしとみ)浩さんは「沖縄の二つの新聞は『偏向だ』という攻撃をされてきたが、あの番組こそ偏向だ」とのべ、「わたしたちは非暴力を貫いて長いたたかいをしてきた。いまそれが『オール沖縄』のたたかいになっている。この民意がどういう歴史で生まれたか、それこそ報じるべきだ」と強調しました。

 リレートークでは「誹謗(ひぼう)・中傷された沖縄の人に謝るべきだ」(沖縄・反戦地主会の女性)、「視聴率1%は100万人ということを認識して責任ある態度を取るべきだ」(江東区の男性)などの発言が次々。東京新聞に抗議に行った女性は「読者部長に直接会い、ニュース女子の司会をした長谷川幸洋論説副主幹を処分するよう要求した」と報告しました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって