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2017年1月30日(月)

東京五輪組織委の森喜朗会長

政界引退後もカネ集め

総裁派閥に献金、影響力保持

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 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、政界引退後も、資金管理団体を保有し続けるなどして、多額の政治資金を集めていることがわかりました。(藤沢忠明)


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(写真)森喜朗元首相の資金管理団体「春風会」が入居するビル(上)と表示板=東京・虎ノ門

 昨年12月、東京都内のホテルで「森喜朗忘年例会」と銘打った催しが開かれました。これは、森氏の資金管理団体「春風会」が毎年、開いている政治資金集めパーティーです。政治家が、引退後も資金管理団体を持って、金集めを続けることはきわめて異例なことです。

 森氏は、1969年の総選挙で初当選以来、14回当選。この間、文相、建設相、自民党幹事長などを歴任、2000年4月から01年4月まで、首相を務めました。12年12月の総選挙に立候補せず、政界を退きましたが、安倍首相の特使としてロシアを訪問するなど、政界に一定の影響力を持っています。

 政治資金収支報告書によると、春風会は、引退後の13年に、「『私の履歴書』出版記念会」「忘年例会」などあわせて9576万円のパーティー券収入があります。これは、引退前の12年のパーティー券収入6994万円を大幅に上回るものです。14年にも5134万円、15年は5434万円と、5000万円を超すパーティー券収入を誇っています。

複数の“財布”

 森氏の“財布”は、春風会だけではありません。企業・団体献金を集めることができる自民党支部を引退後も持っています。

 春風会の政治資金収支報告書によると、「自民党石川県地域振興支部」という政党支部から13年に600万円、14年に700万円、15年に800万円と、多額の寄付を受け取っています。同支部は、13年に1684万円、14年に1436万円、15年に1131万円の企業・団体献金を集めており、それぞれ、その35・6%、48・7%、70・7%を春風会に“上納”していたことになります。

 地域振興支部は、森氏が引退した翌13年に設立され、代表者は、森氏の有力後援者。事務担当者と電話番号は、森氏が現職だったとき、森氏が支部長を務めた「自民党石川県第2選挙区支部」(12年に「自民党石川県衆議院支部」に名称変更)と同じです。森氏の事実上の支部です。

 第2選挙区支部が11年に5116万円、衆議院支部が12年に4626万円の企業・団体献金を集めていたことと比べると、集金力は落ちたものの、地域振興支部は、森氏の企業献金集めの“受け皿”です。

 衆議院支部についていうと、引退直前に5300万円を春風会に資金移動しています。

税逃れ指摘も

 こうして集めたカネを森氏は何に使っているのか。春風会は、12年に2000万円、13年に1000万円を、安倍首相の出身派閥、細田派の政治団体「清和政策研究会」に献金しています。

 この額は、12年は安倍首相の資金管理団体「晋和会」の1000万円を抑えてトップ、13年は町村信孝元衆院議長(故人)の資金管理団体「信友会」の1200万円につぐもの。森氏は、総裁派閥に献金することによって引退後も、隠然たる影響力を保持しているわけです。

 しかし、政治資金規正法は、資金管理団体について、公職の候補者でなくなったときは、その旨を7日以内に届け出ることを定めています(19条3)。森氏が、企業からカネをもらい、政治資金として処理することは、所得税逃れではないか、という指摘もあります。

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