「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年12月5日(月)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 ことし韓国のネット上で、日本のさりげない美しさが話題になりました。繊細さや質素で静かなわび・さび。日本は古くて、小さくて、美しいものを愛する民族のようだと▼深く関わり合いながらも国民感情は良くない隣国の中に、日本の精神文化まで分け入り、評価する声があるとは喜ばしい。美にたいする意識は国や個人によっても違いますが、互いの感じ方を認め合う姿勢が何よりも▼日本が朝鮮を植民地支配し、皇民化教育を強いていた時代。朝鮮陶磁の美しさに魅せられ、その文化と人々を敬愛し、軍国日本の政策を公然と批判した人物がいました。日常の暮らしの中に美を見いだす民芸運動の創始者、柳宗悦です▼人道主義を掲げた雑誌『白樺』の活動に若い頃から参加していた柳は、日本のアジア侵略の中で、世界の平和は世界が一色になることではないと確信。「複合の美」を重視し、多民族・多文化が共生する世界の実現をめざそうとしました。(中見真理著『柳宗悦』)▼美学者としての己を貫いた柳。朝鮮に思いを寄せた姿をいま劇団民藝の公演「SOETSU」で篠田三郎さんが演じています。「人々の言葉を抹殺し、文化を奪う。宗悦の美意識にまるで反する」。本紙日曜版で篠田さんは語っています▼柳は台湾や沖縄、アイヌにも目を向け独自の文化に光を当てました。強者の論理や排外主義がはびこっているように見える今、互いを活(い)かすことで世界はより豊かになるという柳の平和の思想は脈々と受け継がれています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって