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2016年11月28日(月)

きょうの潮流

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 過去は砂糖のようには甘くなかった―。革命前のキューバは総輸出の8割以上が砂糖でした。サトウキビの栽培に適した土地は米国の会社や個人が所有。資本も生産も「北の巨人」に支配されていました▼その頃、キューバの労働者たちに「死の季節」と呼ばれた期間がありました。年に3〜5カ月ほどの砂糖の仕事があるとき以外は失業。土地もなく、自分の家や財産もない。国や国民の運命を握られている状態でした▼「彼の演説には、アメリカによる植民地的支配が全体的に崩れるかもしれぬという、論理性がある」。まだ世界が“キューバ危機”の余波に揺れていた1964年の夏、革命記念日の当地でフィデル・カストロ氏の演説を聞いた堀田善衛は『キューバ紀行』にそう記しました▼革命後も長く米国の経済封鎖と軍事的な脅威にさらされるなか、カリブ海の小さな島国は独立を勝ち取った勇気と誇り、持ち前の明るさで国づくりを前に進めてきました▼農地改革や雇用の創出、教育や医療の無料化。世界中に医師や教師を派遣する人道外交も。非同盟運動にも最初から参加し、「米国の裏庭」とされてきた中南米地域の自立と平和に大きく貢献してきました▼困難さのなかで舵(かじ)を取り、慕われてきたカストロ氏の死に、いまキューバは悲しみの静寂に包まれています。国の主権を取り戻し、国民とともに歩んできた90年の生涯。国づくりはなお模索中ですが、先人たちが示した気概と情熱があるかぎり。この国の明るい前途を願って。


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