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2016年10月27日(木)

きょうの潮流

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 ことしの大河ドラマ「真田丸」が佳境に入っています。幸村と名を改めた主人公が大坂城入り。戦国時代最後の大戦といわれる大坂の陣に向かいます▼徳川家康が豊臣家を滅ぼした大坂の陣については先日、駐日オランダ人が書き残した文書が確認されました。そこには夏の陣で追いつめられた秀頼が寝返ろうとする大名を城壁から突き落としたという、迫真の様子が記されています▼天下統一を果たした豊臣の象徴ともいえる大坂城の落城。城下町として栄えた大坂の街や民衆を巻き込んだ悲惨極まりない戦争は「大坂夏の陣図屏風」にも描かれています。凄惨(せいさん)な殺し合いや残党狩り、略奪、婦女暴行の実態が赤裸々に▼元大阪城天守閣館長の渡辺武(たける)さんは著書『戦国のゲルニカ』(新日本出版社)でこの地獄図を詳しく読み解きました。そして、長い戦乱の世に終止符が打たれたのは、もうこれ以上の戦禍には耐えられないという人びとの切実な願いがあったからだと▼新聞の連載小説で今回の大河のきっかけをつくった『真田三代』の著者、火坂雅志さんは「これは地方の誇りを描いた物語」であるといいます。信濃の小豪族から身を起こし、知略を尽くして乱世を生き残ったとされる真田一族。彼らの生き方に中央の横暴に抗(あらが)う地方の姿を重ねました▼これまで大河ドラマといえば、歴史のヒーローや表舞台を取り上げることがほとんど。その陰で泣いてきた民や地方の苦悩、生きる術(すべ)に思いを寄せれば、中身もリアルで重厚さを増すのでは。


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