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2016年10月5日(水)

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日銀は金融緩和でお札を増刷?

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 日銀は「異次元の金融緩和」で大量のお金を供給しています。紙幣を増刷しているのですか?(兵庫県・男性)

銀行口座に振り込み

 日銀は2013年4月から大量のお金を民間銀行に供給する「量的・質的金融緩和」(異次元の金融緩和)を続けています。長期国債や投資信託を日銀が民間銀行から買い取り、その代金を払うという方法です。買いオペレーション、略して買いオペと呼ばれます。日銀は日本で唯一お札を発行する金融機関(中央銀行)ですが、買いオペでお札の発行量が増えるわけではありません。

 民間銀行は日銀に当座預金口座を開いています。日常の日銀とのお金のやりとりはこの口座を通じて行います。異次元緩和にあたっても同じです。

 日銀がA銀行から国債を買うと、日銀は代金をA銀行の日銀当座預金口座に振り込みます。それはコンピューター上で決済され、A銀行の帳簿に代金分が増えます。日銀がA銀行にお札を持っていくことはありません。

 A銀行が日銀当座預金口座からお金を引き出して貸し出しなどに回せば、お札の発行量も増えることになります。しかし、今は消費税増税や実質賃金の低下で景気がよくないので、投資や消費が伸びず、銀行からお金を借りて事業を拡大しようという企業は多くありません。日銀が民間銀行に供給したお金はほとんどが日銀当座預金に積み上がっています。異次元緩和の3年半で日銀当座預金残高はほぼ5倍に増えましたが、お札の発行高は1・2倍増とさほど増えていません。

 なお、日銀はお札を発行しますが、印刷するのは日銀ではなく独立行政法人の国立印刷局です。安倍晋三首相が首相就任前、「輪転機をぐるぐる回して日銀に無制限にお札を刷ってもらう」と言ったことがありました。日銀はお札を刷りません。(2016・10・5)


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