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2016年9月28日(水)

TPP 冒頭から疑惑噴出

輸入米価格偽装 協定文書の誤訳 野党、一致して追及へ

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(写真)新潟市で、怒りを込めTPP批准阻止を訴える人たち=9月

 27日から本格論戦がスタートした臨時国会で焦点となっている環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、審議の前提を揺るがす疑惑が相次いでいます。安倍晋三首相は「TPPは大きなチャンス」(所信表明)などとバラ色に見せて、今国会で批准を押し通す構え。日本共産党はじめ野党は批准強行阻止で足並みをそろえ、追及を強めています。

 噴出しているTPP疑惑の一つが輸入米の価格偽装です。TPPに関する政府試算の大前提が大本から崩れることになります。

 安い輸入米による国内農業への影響を防ぐため、国は「売買同時入札」(SBS)と呼ばれる制度を採用してきました。SBSでは、商社が調達した外国産米を国が買い取ったうえで、事実上の関税である“輸入差益”を上乗せして卸業者に売り渡します。これによって“輸入米の国内販売価格は国産米と同水準”と政府は説明してきました。

 ところが実際には、商社が輸入価格を実際より高く偽装し、卸業者に「調整金」(リベート)を渡す行為が横行。国産米より安い外国産米が市場に流通してきた疑惑が生じています。農水省は遅くとも2年前には疑惑を把握していたのに、問題を放置してきました。

 安倍政権は、TPP合意で新たに7・8万トンの外国産米を受け入れることを決定。外国産米の輸入量が増えても、SBSで国内農業には影響が及ばないという試算を示してきました。

 価格偽装疑惑は「TPPによる影響の『政府試算』の前提が崩れた」(日本共産党の志位和夫委員長)ことを意味します。民進党の蓮舫代表も「輸入米の価格の問題がある。どの口でTPPというのか」(26日の同党代議士会)と問題視しています。

 さらに26日には外務省によるTPPの協定文書などの和訳に18カ所の誤った記述があったことも発覚しました。

 日本共産党など4野党1会派は23日の書記局長・幹事長、国対委員長会談で、TPPの拙速な審議、強行採決に反対することで一致。27日の衆院代表質問でも民進党は、「(国会決議による農産物の)5項目の聖域は守られていない」(野田佳彦幹事長)、「(価格偽装疑惑は)TPPの影響試算の根本を揺るがす」(大串博志政調会長)と批判しました。

 安倍首相は「国民との約束はしっかり守ることができた。攻めるべきは攻め、守るべきは守った」などと事実をねじ曲げ、価格偽装疑惑でTPP試算の前提が崩れていることについても、「国民への説明を偽装したとの指摘は全く当たらない」と開き直りました。

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試算の撤回と疑惑解明が必要

 畠山和也衆院議員の談話 この問題は政府のTPP試算の前提を崩すものです。農水省の疑惑放置についても解明が必要です。試算の撤回と疑惑の全容解明がないまま国会審議を進めることは認められません。日本の農家には米をつくるなと言いながら、安い外国産米を輸入し続けてきた農政の矛盾の現れです。


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