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2016年9月27日(火)

日本共産党議員団総会での志位委員長のあいさつ

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(写真)あいさつする志位和夫委員長=26日、国会内

 26日に国会内で開かれた日本共産党の国会議員団総会で、志位和夫委員長が行ったあいさつは次の通りです。


安倍暴走政治と正面対決し、政治の「チェンジ」を求める論戦を

 臨時国会開会にあたって、あいさつを申し上げます。

 この臨時国会は、参議院選挙を受けて初めての本格論戦の舞台になります。どういう構えで臨むかについて、いくつかの角度から話したいと思います。

 第一に、6中総の幹部会報告で述べたように、この秋は、あらゆる分野で安倍暴走政治とのたたかいが重大局面を迎えることになります。暴走政治と正面から対決し、政治の「チェンジ」を求める論陣を張っていきたいと思います。

 安保法制=戦争法は、強行から1年、全面的な運用段階に入ろうとしています。南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵されている自衛隊の任務拡大が、安保法制発動の第1号にされようとしています。ここに差し迫った重大な危険があります。憲法違反の安保法制=戦争法の発動に反対し、廃止を求める論陣を大いに張っていこうではありませんか。(拍手)

 「アベノミクス」の破綻がいよいよ深刻になるもとで、安倍政権は28兆円を超える「経済対策」を打ち出しました。リニア建設への公的資金の投入など、借金頼みの大型開発へのバラマキという、すでに破綻が証明された対策が中心です。その問題点を厳しく追及するとともに、わが党の抜本的対案――「三つのチェンジ」を大きく対置していきたいと思います。

 TPP(環太平洋連携協定)の批准を許さないたたかいは、今国会の大争点であります。前国会の論戦の到達点に立って、批准阻止の論戦をやっていきたいと思います。新しい大問題として、輸入米の価格が偽装され、政府の公表より、「60キロで最大3600円」も安く販売されていることが明らかになりました。政府はこれまで、「輸入米の国内販売価格は国産米と同水準になる。だからTPPはコメに影響しない」としてきましたが、これが根底から崩れました。TPPによる影響の「政府試算」の前提が崩れたわけであります。この問題の徹底究明なしに、まともな審議はできません。徹底究明を強く求め、TPP協定の批准を必ず阻止するために頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

 原発固執路線の矛盾が噴き出しています。福島では、東京電力福島原発事故の収束の見通しが立たない。鹿児島では、三反園訓(みたぞの・さとし)新知事が、九州電力に川内原発の(稼働)一時停止を申し入れるなど、各地で矛盾が噴き出しています。高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉について、政府・与党もそこに踏み込まざるをえなくなっている。「核燃料サイクル」の大破綻が起こっています。再稼働反対、「原発ゼロの日本」への論戦をやっていきたいと思います。

 沖縄に対する常軌を逸した強圧は絶対に許すわけにいきません。東村高江のオスプレイパッドの建設強行。辺野古新基地建設で国が県を一方的に提訴するという暴挙。そして選挙で示された圧倒的な民意に耳を貸そうとしない姿勢。問われているのは、日本の地方自治と民主主義の根本であります。沖縄のたたかいに連帯した論戦とたたかいを展開しようではありませんか。(拍手)

 憲法改定の問題では、安倍首相は、参院選の直後に「いかにわが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術」と言い放ちました。「わが党の案」というのは、「自民党改憲案」です。「自民党改憲案」というのは、海外での無制限の武力の行使、基本的人権の制約と抑圧、立憲主義の根底からの否定など、憲法を憲法でなくしてしまう、とんでもない代物です。日本共産党は、憲法改定の発議をする憲法審査会を動かすことにはもともと反対ですが、「自民党改憲案」を「ベース」にした議論など、いよいよもって論外だという立場で臨みたいと思います。(拍手)

野党の役割とは何か――間違った政治に反対することは、それ自体が、野党の大事な仕事

 臨時国会のいくつかの課題について述べましたが、野党の役割とは何かについて一言述べておきたいと思います。

 安倍首相は、口を開けば「反対するなら対案を出せ」と言います。もちろん、わが党は、どの分野でも国民の立場に立った抜本的対案を明らかにしています。綱領に立った確固たる対案をすべての分野で持っています。

 同時に強調したいのは、間違った政治に正面から反対することは、それ自体が、野党の大事な仕事だということであります。だいたい野党は、英語で「オポジション・パーティー」ではないですか。「オポジション」というのは、「反対」ということです。間違った政治に反対しない野党というのは、およそ野党の名に値しない。「対案を出さなければ反対する資格はない」といった政府・与党の攻撃は、自分たちの悪政を問答無用で押し付ける暴論だと言わなければなりません。

 今度の国会でも、「暴走政治にきっぱり対決、国民の立場で対案を示し、野党・国民と共同してたたかう」――この立場を堅持して、頑張りぬこうではありませんか。(「よし」の声、拍手)

野党と市民の共闘を発展させていく国会に――9月23日の野党党首会談の合意

 第二に、今度の臨時国会を、野党と市民の共同をさらに発展させていく国会にしていきたいと思います。

 9月23日、4野党・1会派の党首会談、書記局長・幹事長会談が開かれました。いくつかの重要な確認と合意をかわしました。

 まず、安倍政権と対決する政治的内容として、「安保法制の廃止、立憲主義の回復」、「アベノミクスによる国民生活破壊、格差と貧困を是正する」、「TPPや沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない」、「安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する」。四つの政治的内容を改めて確認いたしました。

 そのうえで私は、党首会談の席で、総選挙でも「できる限りの協力」を行うという野党4党の党首会談の合意にもとづいて、具体化のための真剣な協議を開始しようと提起をいたしました。それに対して民進党の蓮舫代表は、「これまでの公党間の合意は大変重い。岡田(克也)前代表の路線を踏襲していきます」と応じました。そして、4野党の書記局長・幹事長間で、総選挙と衆院の二つの補選での選挙協力の具体化のための協議を開始するということで合意をいたしました。ぜひ真剣で率直な協議によっていい結果を得て、そして選挙に勝ちたいと、決意を固めているところであります。(拍手)

 さらに、当面する国会対応で協力していくこと、TPPについては「絶対に拙速な審議、強行採決は許さない」という点で力を合わせることを確認しました。

「自民党改憲案」は許さない――この一点での協力を強めたい

 さっそく昨日(25日)のNHK「日曜討論」でも、野党の連携した論戦が展開されました。

 憲法改定問題で、小池(晃)書記局長はじめ、野党は一致して「自民党改憲案」を問題にしました。民進党の野田(佳彦)幹事長は「自民党改憲案を撤回するところから始めないと審議は進まない」と述べました。それに対して自民党の二階(俊博)幹事長は、「すぐ撤回するつもりはない。これで審議をしていきたい」と言いました。司会者が、「自民党改憲案を憲法審査会の議論のベースにするということですか」と聞きましたら、二階氏は、そのことを否定しなかった。これを「ベース」にやっていくということです。そうしたやりとりを受けて、わが党の小池書記局長は、二階氏の態度について「これは重大だ」と厳しく批判して、「そんな議論は進めるわけにはいかない」という表明をしました。

 野党間で、憲法に対する立場の違いはいろいろあると思います。しかし、それはあったとしても、「自民党改憲案」を許さないという点では一致する。そして「自民党改憲案」を「ベース」にした憲法審査会の審議などということは認めるわけにはいかないという点でも一致する。たいへんに重要な収穫が得られたと私は考えております。

 4野党の憲法問題での合意は、「安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する」です。臨時国会でも、この一点での野党共闘を強めるために頑張っていきたいと決意している次第であります。(拍手)

 この国会での野党共闘としては、国会論戦の中身での連携を強めていきたいと考えています。また、与党による「数の横暴」を許さず国会の民主的運営を図るという点でも協力していきたい。さらに、野党共同で提出しているたくさんの法案があります。それを実らせる取り組みも力をあわせてやっていきたいと思います。

 さまざまな面で、野党間の国会共闘を発展させて、国会外での共闘、そして総選挙での選挙協力を実現していく。そういう国会にしていくために、知恵と力を尽くそうではありませんか。

国会議員団が「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」成功の先頭に立とう

 第三に訴えたいのは、6中総が呼びかけた「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」の成功に国会議員団が大いに貢献しようではないかということであります。

 この「大運動」はどうしても成功させる必要があります。いまの政治を変えてほしいという国民の願いにこたえるためには、党を強く大きくすることが必要です。次の総選挙で勝つためにも絶対不可欠です。野党と市民の共闘を前に進めるうえでも必要です。どうしてもここで、わが党は自力をつけなければならない。成功させなければなりません。それに貢献する活動を、国会議員団としてもやっていこうじゃないかということを訴えたいと思います。

 何よりも、「日本共産党国会議員団ここにあり」というわが党ならではの国会論戦を展開し、多くの国民のみなさんに、「共産党を伸ばしてよかった。もっと伸ばそう」と評価していただける奮闘をしていきたいと思います。それが「大運動」成功の何よりもの貢献となっていきます。

 いま一つは、国会議員団が党勢拡大運動の先頭にも立っていこうということです。すでに多くのみなさんが、「集い」で党を語る先頭に立つ、宣伝や拡大行動の先頭に立つなど、素晴らしい奮闘をしていることに敬意を表したいと思います。

 6中総の幹部会報告では、こう述べました。「『大運動』を必ず成功させるために、都道府県委員会、地区委員会、補助指導機関、党議員団が、国政選挙を1回たたかう以上の構えで、特別の臨戦態勢をただちに確立しよう」

 ここに「党議員団」とありますが、これはもとより国会議員団、地方議員団という意味であります。「国政選挙を1回たたかう以上の構え」を確立することを訴えました。国政選挙になりますと、私たちは頑張ります。それこそ寝食を忘れて頑張る。こんな力が出るのかというくらいものすごい力を出します。そのときの奮闘を思い起こして、「国政選挙を1回たたかう以上の構え」で、私たち国会議員団も、「大運動」の成功のために力を尽くしたいと思います。そのことを最後に確認し、お互いの奮闘を誓い合って、開会にあたっての私のあいさつとします。頑張りましょう。(拍手)


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