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2016年9月23日(金)

きょうの潮流

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 田んぼで草刈りをしていた最中でした。「日本に行くぞ」。トラックで突然やってきた男たちに連れていかれた先は軍艦島の呼び名で知られる長崎の端島(はしま)でした▼1943年8月、14歳の徐正雨(ソジョンウ)さんは大勢の朝鮮人青年とともに日本に強制連行されます。翌日から島の海底炭鉱で重労働。毎日ろくな食事も与えられず、劣悪な環境の中で奴隷のように働かされました。彼らにとってそこは「監獄島」でした▼徐さんはその後、三菱重工長崎造船所に送られ、作業中に原爆に遭います。彼は韓国・朝鮮人被爆者として最初に証言活動を始め、72歳で亡くなるまで叫び続けました。青春をかえせ、健康をかえせ、差別をなくせ―▼いま新宿の高麗博物館で、韓国・朝鮮人被爆者の実情と、それを放置してきた日本政府の責任を問う展示会が開かれています。広島・長崎の爆死者の6人に1人は朝鮮人、7万にも及ぶ被爆者が戦後長く何も補償されてこなかった事実が迫ってきます▼被爆から70年余。いまも後遺症に苦しむ被爆者をはじめ、2世、3世への支援も急がれています。同館理事長の原田京子さんは、日本人以外にも被爆者がいる現実を知ってもらい、核兵器のない平和な世界をつくるために一緒に歩んでいきたいと思って企画した、と▼来月の国連総会では核兵器禁止条約の交渉開始が大きな議題になります。核保有国とともに、いまだに核の傘と原発にしがみつく安倍政権。それを追いつめていく、国境をこえた市民の草の根からの活動です。


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