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2016年9月16日(金)

きょうの潮流

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 報道写真家を志した森枝卓士(たかし)さんは内戦の惨状を取材しながら、ふと思ったそうです。彼らは何を食べているのか。食文化という基本を知らねば政治や経済も理解できまいと▼かくして森枝さんはどこの国や町に行っても最初に市場を訪ねるように。そこの日常である市場を見て歩くことで、暮らしという根っこの部分から、その国を知ろうと世界中を回りました▼日本の台所といわれる築地市場が開場したのは1935年。東京湾に向け扇を広げた形に当時の関係者は発展の希望を込めました。それから80年余。今では1日に約1700トンの水産物、1100トンの青果物を入荷する世界最大級の市場に成長しました▼日本の食を支える巨大市場。その豊洲移転を東京都が一方的に決めたのは15年前、石原慎太郎知事のときでした。東京ガスの工場跡地で土壌が汚染されている、地元や市場関係者の合意も得られてない。当初からそう指摘してきたのが日本共産党でした▼移転の大前提である土壌対策の盛り土が施されず、都は偽りの説明を続けてきた―。いま焦眉の問題も共産党都議団の調査で判明したもの。青果棟の地下には大量の水がたまっていることも明らかに▼石原氏は今になって「だまされた」と口にしますが、それこそ無責任の極みです。この間の経緯をはじめ、膨らむ工事費や談合疑惑など解明すべき問題は山積しています。ことは食の安全、国民や市場で働く人びとの健康にかかわります。揺らぐ市場から日本の今が見えてきます。


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