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2016年9月5日(月)

米中首脳会談 南シナ海、ミサイル防衛 平行線

対話と協力は推進

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 【杭州(中国)=小林拓也】20カ国・地域(G20)首脳会議に参加するため中国・杭州を訪れたオバマ米大統領は3日夜、中国の習近平国家主席と会談しました。オバマ氏は大統領として最後の訪中で、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の批准を共同発表するなど米中の協力進展をアピール。一方、南シナ海問題や最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備問題などでの議論は平行線をたどりました。


 ホワイトハウスによると、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題に関して、オバマ米大統領は、南シナ海に関する仲裁裁判所判決の受け入れを要求。これにたいし、中国外務省の発表では、習主席が「領土主権と海洋権益を断固守る。米国は南シナ海で建設的役割を発揮してほしい」との主張を繰り返しました。

 また習氏は、在韓米軍のTHAAD配備に対し、反対を表明。中国の戦略と安全保障の利益を尊重するよう求めました。

 オバマ氏が、中国国内の人権を擁護する重要性を強調したのにたいし、習氏は、台湾やチベット、人権問題での中国の原則的立場を表明し、「どの国であれ、人権問題を利用して中国の内政に干渉することは許されない」とけん制しました。

 杭州は44年前に当時のニクソン米大統領が訪れ、両国の敵対関係を終結させた場所。会談は夕食会を含め計4時間以上におよびました。ただし、会談後の共同記者会見は行われませんでした。

 両首脳は2013年6月に行われた米カリフォルニア州での8時間以上に及ぶ会談後、長時間の会談を毎年実施。中国は「米中新型大国関係」を打ち出し、意見の違いをコントロールしながら、協力を深めることを目指してきました。米中は、貿易額が急増しており、軍事面やサイバー攻撃問題などでの対話・協力も進めています。

 会談ではオバマ氏も「米中関係の進展」を称賛。南シナ海問題やTHAAD配備問題などでの対立を際立たせない対応に腐心しました。


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