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2016年8月18日(木)

秘密法強行主導の政府高官

戦中の弾圧体制 礼賛

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 秘密保護法の強行成立を主導した安倍政権の高官、北村滋内閣情報官(元警察庁警備局部長)が警察行政関係者向けに編集された講座本の論文で、戦前・戦中の防諜(ぼうちょう)法規を適用した弾圧体制を礼賛していたことが分かりました。また、侵略戦争を美化する「大東亜戦争」の表記も用いていました。

 (山本眞直)


写真

(写真)北村滋内閣情報官が執筆した「外事警察史素描」が収録されている『講座警察法』

 論文は、2014年3月に発行された『講座 警察法』(全3巻、立花書房)に収められている「外事警察史素描」。内閣情報官の肩書で執筆しています。

 外事警察とは、日本在住の外国人の取り締まりを任務に発足しましたが、論文によれば、日清戦争後、軍事上の秘密保護を目的にした軍機保護法や軍事施設などの撮影・模写などの情報収集を制限する要塞地帯法(いずれも1899年制定)にあわせて、「軍事機密に対する諜報活動を取り締まる」ことも任務とされました。さらに、1917年のロシア革命後、「海外からの共産主義思想の流入と共産主義運動に対する監視」に重点が置かれるようになり、機構拡充が図られたといいます。

 北村氏は論文で、戦前・戦中に治安・警備対策を口実にした思想弾圧の元締めだった特別高等警察(特高警察)と外事警察が事実上一体化していたことを詳述。太平洋戦争を「大東亜戦争」と表記したうえ、その勃発後は「その(外事警察の)影響力は飛躍的に拡大した」とのべ、国民を血の弾圧で戦争に動員した暗黒体制を礼賛しています。

 北村氏は、現在の外事警察の体制に関連して、「我が国の機密を保護するための防諜法規が未だ整備されないなど、決して十分とは言えない状態にある」などと不備を指摘し、「秘密保全法制」(秘密保護法のこと)の必要性を強調しています。

 内閣情報官 内閣官房に属する内閣の情報機関、「内閣情報調査室」のトップ。内閣総理大臣に内閣に関わる重要政策や情報を直接、助言や報告ができ、アメリカのCIA(アメリカ中央情報局)など世界の諜報(ちょうほう)・情報機関とも密接に連携しています。歴代の情報官はいずれも警察庁出身で警備・公安畑の幹部経験者が担っています。


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