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2016年8月16日(火)

きょうの潮流

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 「せんそーがおわったぞー」。川で魚取りをしていた少年はそれを聞いて家に戻ります。すると、閉め切った家の中で恐ろしい形相の祖母が日本刀を磨いていました。米兵がきたら、これでみんな刺し違えて死ぬと▼当時7歳だった漫画家の松本零士さんが、終戦の日の記憶を「徹子の部屋」で語っていました。父が陸軍のパイロットだったことや、疎開先の愛媛で見た米軍の戦闘機、機銃掃射…。その体験はのちの彼の作品に色濃く影響しました▼「人は生きるためにうまれてくる。死ぬためにうまれてきたものは誰もいない」。いま78歳の松本さんは人間同士が殺し合う戦争の愚かしさとともに、人類が仲良く手を携え地球を守るような漫画を描いてきたといいます▼“日本の戦争漫画は貴重な平和文化財”。漫画評論家の石子順さんは近著『漫画は戦争を忘れない』の中でこう評しています。戦争の記憶の発掘と今も生きつづける思い。数々の戦争漫画はそれを描いてきたと▼71回目の終戦記念日。戦没者追悼式で天皇は「過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないこと」を切に願いました。一方で安倍首相は加害と反省にはふれませんでした▼あの「玉音放送」から71年後の今夏。生前退位を望む天皇に多くの国民が理解を示しています。隔世の感とともに、戦後日本の平和の歩みと重ね合わす人も少なくありません。戦争を知っている世代からの記憶の継承。それは過去から未来への平和のバトンタッチです。


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