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2016年8月7日(日)

核兵器禁止へ「法的拘束力」を

「核の傘」依存国から不満も

国連核軍縮作業部会

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(写真)5日、ジュネーブの国連欧州本部で始まった核軍縮作業部会の第3回会合(島崎桂撮影)

 【ジュネーブ=島崎桂】ジュネーブの国連欧州本部で5日、「核兵器禁止条約」など効果的な核軍縮策を議論する作業部会の第3回会合が始まりました。約90カ国が参加した初日の議論では、タニ・トーンパクディ議長(タイ)が秋の国連総会に提出するため起草した報告書案への支持が相次ぐ一方、「核の傘」に依存する国々は同案への不満を表明。核兵器禁止をめぐる対立は根強いままです。


保有国不参加

 報告書案は、核兵器を禁止する「法的拘束力のある措置」を交渉する国連会議を来年招集することに関し、「過半数の国が支持した」としています。

 核兵器禁止条約の実現に積極的な東南アジア、中南米諸国を代表したインドネシアは草案を歓迎し、「われわれは将来世代のため、核なき世界という共通の目的を達成するためにここに集っている」と強調しました。

 ブラジルやチリも草案を歓迎した上で、「核兵器は適切な形で禁止されていない唯一の大量破壊兵器だ」と主張。南アフリカやマレーシアは、核廃絶に向けた「法的拘束力のある新たな措置」への前進を求めました。

 日本で開催中の原水爆禁止世界大会も4日、「作業部会が今秋の国連総会に対して、核兵器禁止・廃絶の条約の交渉開始をふくむ具体的な勧告を行うことを要請する」との国際宣言を採択。同宣言は、作業部会の会場で各国政府代表に配布されました。

 一方、日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など「核の傘」に依存する24カ国を代表したドイツは、既存の国際法に基づく「段階的な核軍縮」を改めて主張。「核兵器禁止条約の交渉は、核保有国と非核保有国の溝を深めるだけだ」と述べ、報告書案の「必要な修正を求める」意向を示しました。

 作業部会は今後、公式、非公式協議を通じ、今月19日までに報告書を採択する予定ですが、日本やドイツの反発を受け、草案から大幅に修正される可能性もあります。

 核不拡散条約(NPT)上の核保有5カ国(米英仏ロ中)や、核兵器を保有しているインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の各国は、今年2月、5月の会合に続き今回も参加を見送りました。

 報告書案は、「核兵器国や他の核兵器保有国が作業部会に参加しなかったことは遺憾だ」と指摘したほか、複数の国が核保有国不在への懸念や不満を示しました。

 作業部会には日本政府を代表し、佐野利男軍縮大使らが出席しています。


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