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2016年7月11日(月)

主張

2016世界大会

核兵器禁止条約いよいよ焦点

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 アジア・太平洋戦争が終わりに近い1945年8月、アメリカが広島と長崎に原爆を投下してから、間もなく71年を迎えます。今年も、犠牲者を追悼する行事とともに、原水爆禁止2016年世界大会が広島(国際会議8月2〜4日、大会4〜6日)、長崎(大会8〜9日)で開かれます。5月にアメリカのオバマ大統領が原爆投下国の大統領として初めて被爆地・広島を訪問しました。多くの人々が「核兵器のない世界」への前進を期待しています。目前に迫った世界大会が、核兵器の廃絶へどのような展望を示すのか注目されます。

本格的な議論が始まる

 いま核兵器をめぐる国際的な焦点は、核兵器を禁止し、廃絶する核兵器禁止条約の実現です。この点では今年に入って、重要な発展がありました。核兵器禁止条約についての本格的な議論が、国連の中で始まったのです。

 国連総会ではこの20年間、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が加盟国の7割を超える賛成で採択され続けてきました。ただ、核保有国が反対するなかで、具体的な内容についての議論はすすんでいません。非核保有国は昨年の国連総会で「核兵器のない世界」を実現する具体的な方法を議論する作業部会を提案し、約70カ国がスイスのジュネーブに集まり討論が開始されました。国連として初めて核兵器禁止条約を議論する、画期的な会議です。

 作業部会では、核兵器禁止条約のいくつかの案が示され、保有・備蓄・使用・実験など、禁止すべき内容も議論されました。17年に禁止条約を交渉する会議を開くことも提案されました。報告は8月にまとめられ、国連総会に提出されます。こうした流れに強く反対しているのが、米英仏ロ中の核保有五大国です。作業部会もボイコットしています。

 アメリカのフランク・ローズ国務次官補は1日、核兵器禁止条約は「軍縮と安全保障上の考慮を切り離してしまう」と反対の立場をあらためて表明しました。「安全保障上の考慮」とは、核兵器は必要だという「核抑止力」論にほかなりません。

 広島を訪問したオバマ大統領は平和記念公園での演説で、「核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければならない」とのべました。その言葉に誠実であるならば、核兵器で他国を脅す「核抑止力」論を放棄し、核兵器全面禁止・廃絶のための具体的な行動に足をふみだすべきです。

 日本政府は国連総会で、核兵器禁止条約を求める決議に棄権を続けています。先の作業部会でも、「『段階的なアプローチ』が現実的だ」などと、核兵器廃絶を先送りする主張をし、禁止条約を求める多数の声に背を向けました。核保有国の代弁者ともいうべき、この態度をあらためさせることは、日本の運動の国際的な責務です。

被爆者の訴えにこたえて

 4月に発表された「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」が全国でとりくまれています。「核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを、すべての国に求め(る)」署名運動を国内外で大きく発展させるとともに、原水爆禁止世界大会を成功させることは、核兵器禁止条約への扉を開く重要な貢献となるでしょう。


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