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2016年6月23日(木)

主張

首相第一声と憲法

変えるが語らないは憲法破壊

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 参院選が公示され、各党党首や候補者が第一声に立ちました。安倍晋三首相(自民党総裁)は公示直前の党首討論などで次の国会から衆参両院の憲法審査会で議論し、改憲案をまとめると言い出し、憲法問題が戦争法や経済問題とともに大争点に浮上しました。ところが首相はまだ改憲の中身がまとまっていないから参院選では争点にならないと、第一声でも一言も触れませんでした。憲法は変えるが選挙では語らない―それこそ国民に白紙委任を迫るような、とんでもない“憲法破壊”です。改憲を目指す安倍政権への厳しい審判が不可欠です。

国民に白紙委任迫るのか

 有権者・国民が審判を下す参院選で改憲の中身を語らないで、いったい自民党は選挙後の国会で改憲について何を提案し、どんな改憲を発議させようというのか。

 憲法で、改憲は衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成で発議し、国民投票の過半数の賛成で決めることになっています。国会の憲法審査会は憲法の調査機関で、自民党の改憲案作りの下請けではありません。国会が発議し、国民投票で決めるから選挙の争点にしないというのは詭弁(きべん)です。選挙で改憲の中身を示さず選挙が終われば改憲を進めるというのは国民に白紙委任を迫るに等しく、議会制民主主義の破壊にもなります。

 もともと安倍首相は集団的自衛権行使についての憲法解釈を一方的に変えて憲法違反の戦争法を強行したあと、憲法そのものを変えてしまう明文改憲の策動を繰り返し口にしてきました。参院選でも自民党の改憲案を示し、自民・公明と改憲勢力で発議に必要な3分の2の議席を目指す、自らの任期中に改憲を実現する―と公言してきました。ところが参院選が近づいた途端、改憲は目指すがその中身は語らないと言い出したのです。参院選で改憲の中身を語らないのは、国民の抵抗を恐れ、国民をだまして多数の議席を獲得し改憲を進める悪辣(あくらつ)なたくらみです。

 安倍首相が語らなくても、自民党の改憲案の危険性は明らかです。自民党が安倍政権の発足に先立ってまとめた改憲案には、憲法9条を変え、集団的自衛権の行使に一切の制限を取り払い、自衛隊は「国防軍」として「戦争する国づくり」を進めること、基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」だという現憲法の規定を廃止し、「公益及び公の秩序」によって制限できるようにするなど、憲法を憲法と呼べないものに変えてしまう重大な内容が盛り込まれています。危険な自民党改憲案に参院選でのノーの審判が重要です。

 安倍首相は改憲の中身は語らないといいながら、日本共産党の志位和夫委員長が党首討論で「9条には手をつけないといえるのか」と迫っても確約しません。安倍氏が狙う改憲の危険性は明白です。

安倍首相と与党に審判を

 参院選第一声で安倍首相は、もっぱら最大のテーマは経済だと、「アベノミクス」の自慢話に終始しました。大企業が大もうけすれば国民が潤うという「アベノミクス」の破綻と失敗は明らかです。

 経済が争点といいながら選挙が終われば秘密保護法や戦争法を強行したすり替えを繰り返すのは許されません。参院選は、国民が安倍首相とその与党へ憲法守れなどの審判を下す絶好の機会です。


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