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2016年6月19日(日)

主張

首相の「経済論戦」

すり替えの自慢話通用しない

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 22日公示される参院選に向け安倍晋三首相が各地の遊説で、「最大の争点は経済政策だ」と都合のよい数字だけ並べて「アベノミクス」を自画自賛し、「野党は経済政策がない」などの攻撃を繰り返しています。経済政策が「最大の争点」だというのは戦争法強行などへの批判をかわし、参院選で「訴える」としてきた憲法問題からも国民の目をそらそうというものですが、その経済問題でも自慢話を繰り返し、一方的に野党を攻撃するのはまともな論戦といえません。主権者・国民の審判を問う選挙戦で政権党を代表する首相がとる態度ではありません。

国民の実感とかけ離れて

 「雇用が増えた」「有効求人倍率は改善した」「最低賃金も上げた」「農産物の輸出も増えた」…。安倍首相の演説はどこでも、判で押したように、同じ内容です。安倍政権に都合のよい数字を次から次へと並べ立てます。聴衆の反応はいまひとつ―。それというのも、安倍首相が上げる数字に国民の実感が伴っていないからです。

 「雇用が増えた」といいますが増えたのは賃金が低く不安定なパートなど非正規の雇用が中心です。求職者に対する求人の割合を示す有効求人倍率が「改善した」のも求人の条件が悪く求職しない人が増えているのも反映しています。大企業は大もうけしているのに賃金が上がったという実感はなく、全国平均で時給798円の最低賃金では1カ月働いても20万円にもなりません。環太平洋連携協定(TPP)を念頭に農産物の輸出が増えているという宣伝も、それ以上に輸入が増えていることには口をつぐんでいます。

 最近の世論調査でも「アベノミクス」で景気がよくなるかという質問に、「思わない」が62・2%で、「思う」の28・0%を大きく上回りました(共同通信調査、「東京」14日付など)。いくら安倍首相が数字を並べても、実感に合わなければ不信が広がるだけです。

 各地の演説などで首相が絶対持ち出さなかったのが、実質賃金が減り、消費が落ち込んでいるという数字です。勤労者世帯の実質賃金は2015年度まで5年連続の減少で5%も減っています。国内総生産の約6割を占める個人消費は14、15年度と2年連続のマイナスです。大企業は大もうけしても「アベノミクス」の効果が行き渡らず、消費税増税が消費を冷やしてしまっているのは明らかです。

 安倍首相はまず経済政策の失敗を認め、責任を明確にすべきです。失政の反省もしないで、戦争法強行や改憲策動を隠すために根拠のない経済政策の“成果”を振りまくのは言語道断です。破綻した「アベノミクス」を加速しても、それは破綻がひどくなるだけです。

野党の経済政策は明らか

 安倍首相は野党に経済政策がないようにいいますが、「『アベノミクス』による国民生活の破壊、格差と貧困を是正する」が野党の共通政策です。日本共産党は格差をただし、経済に民主主義をと、「三つのチェンジ」を訴えています。

 安倍首相が国民の暮らしの実態に目を向けず、野党の政策さえ読もうとしないで、一方的な宣伝と攻撃を繰り返すのはまさに選挙を汚すものです。参院選でこうした安倍政権を追い詰め、野党共闘の勝利と日本共産党躍進を実現することが、ますます重要です。


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