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2016年6月4日(土)

イラク・シリア 人道状況悪化

国連懸念「援助に全力」

IS支配 ファルージャで犠牲者増

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 国連などは2日、過激組織ISに対し政府軍などが攻勢を強めているイラクやシリアでの民間人の犠牲者の増大や人道状況悪化に懸念を表明しました。

 (伊藤寿庸、釘丸晶)


 イラクでは、過激組織ISの支配地域モスルとファルージャに対し、米軍主導の有志連合の空爆に支援されて政府軍などの奪還作戦が進められていますが、激しい戦闘が続くファルージャで市民の犠牲の増大が懸念されています。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)の緊急援助調整官であるオブライエン国連事務次長は2日、声明を発表し、戦火の中でファルージャから逃げられないでいる市民の状況に「深い懸念」を表明。国連などは人道援助を拡大するために全力を挙げる、と強調しました。

 同氏は「過去2週間に5000人近い人々が安全な場所に脱出した」としつつも、「国連やパートナーは、ファルージャで、激しい砲撃のために民間人の犠牲者が出ているという深刻な報告を受けとっている。ISによって数百世帯の家族が『人間の盾』として使われ、子どもたちが家族から引き離され兵士となることを強要されているとの報告が続いている」と述べました。

 イラク全土では1000万人が人道援助を必要としており、IS支配地域にはさらに300万人が住んでいると推定されています。

 他方、シリアでは、政府軍とIS、反政府勢力などの武力紛争が続き、政府軍に包囲された多くの地域に住む40万人の住民が食料危機に陥り、人道支援の必要性が高まっています。

 シリア政府は2日、包囲されている19地域のうち少なくとも11地域で6月中に国連と赤十字による人道支援物資を積んだトラックを受け入れると表明しました。同国の国連代表部が国連に対して通告しました。

 2012年以来政府軍の包囲下にあって一度も外部からの人道支援が行われてこなかったダラヤには1日、国際赤十字とシリア赤新月社による支援物資としてワクチンなどの医薬品、子ども用のミルクなどが届けられました。

 ロシアや米国を含む国際シリア支援グループ(ISSG)は先月、人道支援の地上からの搬入が拒否された場合、国連の世界食糧計画(WFP)がシリアの包囲地域に人道物資の空中投下を行うことで合意。英国のライクロフト国連大使は2日、「(シリア)政権が人道援助の地上からの搬入を認めるよう求める」と述べていました。

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