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2016年5月13日(金)

主張

消費税増税の判断

先送りでなくきっぱり中止を

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 来年4月からの消費税の再引き上げまで1年を切り、安倍晋三政権が実施の判断材料にするということし1〜3月期の国内総生産(GDP)の発表(18日)も間近に迫って、消費税増税の判断をめぐりさまざまな発言が出ています。安倍首相は「リーマン・ショックや大震災のような事態にならない限り実施する」と言い続けてきましたが、一昨年4月の増税後の消費の不振が長引き、増税路線の破綻は明らかです。熊本地震も深刻な打撃を広げています。一部には判断そのものを遅らせる動きもありますが、消費税増税は先送りせず、きっぱり中止すべきです。

「増税路線」の破綻は明確

 消費税増税の是非だけでなくその判断をめぐる政府・与党内の発言は、まさに“迷走”しています。

 安倍首相自身は5月の連休中の外遊先での発言でも、今月26〜27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での議論を踏まえて判断するというだけで、予定通り増税するとも見送るとも明言しません。自民党の高村正彦副総裁は「(判断は)参院選後でいい」と言い出しています。

 これにたいし、公明党の山口那津男代表は「透明感をもって国民が受け止められるようにする必要がある」と参院選前の判断を主張しました。自民党の谷垣禎一幹事長は「判断すべき時期は選挙の時期と必ずしも関係しない」と、ごまかしに躍起です。

 消費税増税を予定通り実施するか否かだけでなく、その判断時期をめぐっても政府・与党内が“迷走”しているのは、消費低迷の長期化や熊本地震で、消費税増税が思惑通り進められなくなっている表れです。サミットを前に首相が経済学者などを招き開催してきた国際金融経済分析会合でも、スティグリッツ米コロンビア大学教授やクルーグマン米ニューヨーク市立大学教授が増税延期を求めました。高村副総裁も、安倍首相が出した条件を口実に、「熊本地震と世界経済の縮小を合わせればという人もいる」などと言っています。

 安倍政権が政権復帰後、2014年4月から強行した消費税率の5%から8%への引き上げは、消費を急速に冷え込ませ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が大企業しかうるおしていないのと併せ、日本経済を急速に冷え込ませました。GDPは14年度、15年度と2年連続でマイナス成長を脱しきれず、近く発表になる1〜3月期も低成長が予想されます。

 このまま来年4月から消費税を10%に再増税すれば、日本経済も国民の暮らしも破綻してしまいます。国際通貨基金(IMF)が最近発表した経済見通しも、日本経済は16年も0・5%という低い成長しか望めず、消費税が増税されれば、17年にはマイナス0・1%に落ち込むと予測しました。消費税増税の悪影響は明らかです。

消費税に頼らない財政へ

 参院選挙や安倍政権がねらう総選挙のために消費税増税の判断を遅らせるなど全く論外です。国民の暮らしと日本経済の立て直しのためには、消費税増税は直ちにきっぱりと中止し、消費税に頼らず、国民の暮らし再建を中心にした経済・財政政策に転換すべきです。

 増税路線が破綻しても先延ばしだけで中止も決断できない安倍政権に、経済のかじ取りをゆだねることはいよいよできません。


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