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2016年4月8日(金)

衆院選挙制度

全会派一致原則を否定 禍根残す議長「最終判断」

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(写真)大島衆院議長(左端)と会談する各会派の代表。右から5人目は穀田国対委員長=7日、国会内

 衆院選挙制度調査会の答申(1月14日)を受け、自民、民進両党は大島理森議長の求めに応じて「改革案」を提示しましたが、両案に共通しているのは、比例代表も含めてさらなる民意の削減となる定数の削減を前提としているということです。公明党の中央幹事会(7日)では、自民党の「改革案」に異論は出ず、これを受け入れる方向です。

 いずれも、小選挙区間の「1票の格差」を抑えるために、都道府県ごとの人口比に基づいて定数を決める「アダムズ方式」を導入するとしていますが、「小選挙区0増6減、比例0増4減」の自民党案は2020年の大規模国勢調査を基準とする一方、民進党案は即時に「アダムズ方式」を導入し「小選挙区7増13減、比例1増5減」するというのが目立った違いです。

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は7日の記者会見で、本来の「アダムズ方式」によれば「9増15減」となるはずで、自民党案の「0増6減」は「作為的計算方式で国民を欺くもの」だと批判しました。

 両党案はともに最高裁判決が違憲状態だと断じた「1票の格差」を2倍未満に抑えるとしていますが、いくらみせかけの「アダムズ方式」による「0増6減」などを繰り返しても、小選挙区制を温存したままでは、いずれ人口の移動などで、「2倍以上の格差」という違憲状態が生じることは必至であり、「抜本改革」とは程遠いものです。

 衆院選挙制度調査会の答申を「わが党が尊重していくのは当然」(安倍晋三首相=自民党総裁)だといいますが、答申は現行定数について、「国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出(いだ)し難い」と削減の必要性を否定しました。もとより、最高裁判決も定数削減は求めていません。

 大島議長が7日、与野党の代表者を集めた会議で示した「最終判断」は、最高裁判決も求めていない“定数削減ありき”の自民、民進両党の法案を出させ、それを多数決で決めろという乱暴なものです。

 衆院の選挙制度改革は、民主主義の土台・土俵をつくる重大な課題であり、少数政党も含む全党・全会派の一致で進めるべきものです。穀田氏は、同調査会の答申が出されて以来、大島議長との会談などで一貫して全政党・会派が参加する協議会の開催を求めてきましたが、これまで一度も開かれていません。

 (林信誠)


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