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2016年4月7日(木)

主張

新基地「和解」協議

「辺野古唯一」では解決しない

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 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古への新基地建設問題をめぐり、安倍晋三政権が、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しの撤回を求めた代執行訴訟で、両者の和解が成立してからおよそ1カ月が過ぎました。和解条項には「円満解決に向けた協議を行う」ことが明記されていますが、安倍政権は、「辺野古移設が唯一の解決策」という立場に固執し続けています。県民の「新基地建設ノー」の圧倒的多数の声を無視し、あくまで「辺野古移設」を押し付けようとする限り、沖縄の怒りが一層大きく噴き出すことは避けられません。

重大な「急がば回れ」発言

 訪米した安倍首相と3月31日にワシントンで会談したオバマ米大統領は、辺野古への新基地建設をめぐる代執行訴訟で日本政府と沖縄県が和解したことについて「工事はどれくらい遅れるのか。その場合、普天間(基地)をどういう形で使えるのか」とただしました。和解による工事の中断で新基地建設に遅れが出ることにいらだちを示す異例の発言です。

 これに対し安倍首相が「辺野古移設が唯一の解決策との立場は不変だ。急がば回れの考えの下、和解を決断した」と表明し、辺野古での新基地建設推進を改めて対米公約したことは重大です。オバマ大統領は「ぜひ大きな支障のないようにしてもらいたい」と圧力を加えることも忘れませんでした。

 安倍首相が会談で「辺野古移設が唯一の解決策」との立場は変わらないと述べたことに、翁長知事が「大変遺憾」だとするコメント(1日)を発表したのは当然です。

 代執行訴訟の和解に基づき、現在、政府と県では「円満解決に向けた協議」とともに、翁長知事の辺野古埋め立て承認取り消しに対する日本政府の「是正」指示をめぐる手続きが進んでいます。

 県はこれまで「和解の協議を機に円満解決に向けた歩み寄りを期待し、政府へは、辺野古(移設)が唯一の解決策というかたくなな固定観念に縛られず、真摯(しんし)に協議を進めていく」(知事コメント)ことを求めてきました。それにもかかわらず、安倍首相がオバマ大統領に辺野古の新基地建設推進を重ねて約束してきたことは、和解に基づいて協議を進めるといっても県の主張に耳を貸す姿勢がないことをあらわにするものです。

 そうした政府の姿勢は、「円満解決に向けた協議」を行うより前に翁長知事に埋め立て承認取り消しを撤回するよう「是正」指示をしたことからも明らかです。安倍首相が和解について「急がば回れ」と述べたことは、翁長知事が言うように「『円満解決に向けた協議を行う』という和解条項の趣旨にももとるもので和解の精神を軽んじている」(同)ものです。

揺るがぬ意思を示そう

 歴代政府が「県内移設」「辺野古が唯一」の立場に固執した結果、普天間基地「返還」合意から20年たっても閉鎖・撤去が実現できていない事実こそ直視すべきです。

 翁長知事は「今後とも辺野古に新基地は造らせないとの公約実現に向け、不退転の決意で取り組んでいく」と強調しています。辺野古新基地ノー、普天間基地の閉鎖・撤去を求める世論と運動をさらに広げる時です。沖縄県議選(6月)、参院選(7月)で県民の揺るがぬ意思を示すことが必要です。


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