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2016年3月16日(水)

“立法事実がない”

社会福祉法改悪案 小池氏が批判

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(写真)質問する小池晃議員=15日、参院厚労委

 日本共産党の小池晃議員は15日の参院厚生労働委員会で、社会福祉法人(社福)関係者から強い批判の声が上がっている社会福祉法改悪案についてただしました。

 改悪案は、障害者福祉・保育などの事業を非営利で担う社福に新たに「無料・低額の福祉サービス」(地域公益活動)を提供する責務を課し、実態のない“内部留保”を「社会福祉充実残額」として公益事業などにあてる計画の作成を義務づけています。

 小池氏は、改悪案が他の事業と同等の条件をという理由で障害者分野の職員の退職手当共済への公費助成を廃止しようとしていることについて、労働条件の改善こそ必要だと強調。保育関係でも2017年度までに廃止を検討しているが、保育士不足の要因は待遇の問題と認め「待機児童ゼロ」をめざすとする安倍政権の方針とも矛盾していると批判しました。

 地域公益活動の責務化について小池氏は「国が果たすべき役割を社福に肩代わりさせてはいけない」と強調しました。その上で、社福が「社会福祉充実残額」なるものをどれだけ保有しているか厚労省が何も把握していないことを確認。「実態がなければ立法事実がない。“内部留保”があると見込んで法律をつくるのは逆転している」と批判しました。

 小池氏が、仮に「残額」が出ても本来の社会福祉事業に使うのが筋だと指摘すると、塩崎恭久厚労相は「職員の処遇改善を含む人材への投資など社会福祉事業への再投下を最優先とする。(本来の)事業の適正な運営への活用は担保されている」と述べました。

 小池氏が、仮に「残額」すべてが本来の社会福祉事業のみに充当する計画でも認められるのかと確認を求めたのに対し、石井淳子社会・援護局長は「ご指摘の通り」と認めました。


国の責任 法人が肩代わり

 社会福祉法等改悪案は、すべての社会福祉法人に対して、すでに実施している社会福祉事業とは別に無料・低額の福祉サービス提供の責務を課すとともに、「余裕財産」を地域公益活動へ投下することを義務づけるものです。

 社会福祉法人に「内部留保」があるという前提に立って、営利企業との「公平性」を理由に規制強化を求める規制改革会議の要求を受けたものです。

 社会福祉に対する国の責任を投げ捨て、貧困・格差の拡大や制度の遅れで生じた問題への対処を社会福祉法人に肩代わりさせるものです。利用者へのサービス低下や労働者のさらなる処遇悪化を招くことになります。

 また、障害者施設職員への退職共済の公費助成を廃止します。社会福祉法人の掛け金が大幅に増え、共済加入困難となる施設が増大します。極めて低い賃金水準の上、退職金も保障されなければ、人手不足に拍車をかけることは明らかです。

 評議員会の設置義務付けや介護福祉士の国家資格取得方法の見直しも盛り込んでいます。2015年7月の衆院厚生労働委員会で採決され、日本共産党は反対しました。参院に送られ、継続審議となっていました。


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