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2016年2月23日(火)

南スーダンPKO 国連「襲撃は政府軍」

派兵自衛隊、武力行使の危険

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 17日夜から18日にかけてアフリカ・南スーダン北東部マラカルの国連キャンプで発生した暴力事件に関し、国連安保理は19日、南スーダン政府軍がキャンプ内に侵入して住民を攻撃したと断定する声明を発表しました。(竹下岳)


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 陸上自衛隊は南スーダンに展開する国連PKO(平和維持活動)=国連南スーダン派遣団(UNMISS)に約350人を派兵しています。戦争法に伴う任務拡大で、政府軍との交戦もあり得る深刻な実態が浮き彫りになりました。

 事件では、ディンカ人とシルク人の衝突で少なくとも18人が死亡。50人が負傷しました。声明は、「安保理は武装した南スーダン政府軍がUNMISSキャンプに侵入し、住民に発砲し、略奪し、テントを放火したという信頼できる報告を受けた」と指摘。政府軍を含む当事者を強く非難しています。南スーダン政府軍はディンカ人が主体です。

 声明はさらに、住民や国連に対する攻撃は「戦争犯罪」であり、国連安保理決議2206(2015年3月)に基づく経済制裁の対象になると警告しています。

 改定されたPKO法では自衛隊の任務に、「安全確保業務」と称して「住民保護」や特定区域の「監視、駐留、巡回、検問、警備」が加わり、これら任務遂行のための武器使用まで認めています。

 これに基づけば、自衛隊が国連キャンプの警備を行うことが可能になります。UNMISSは「住民保護」を主要マンデート(任務)に掲げ、そのための武力行使の権限を与えられています。

 日本政府は、海外派兵にあたり「国または国に準じる組織が登場しない」ことを前提にしています。仮に武器を使用しても、国際紛争への参加ではなく、憲法9条が禁じる「海外での武力行使」にあたらないと説明するためです。

 しかし、南スーダンで「安全確保業務」を行っていれば、「住民保護」のために「国」そのものである政府軍と交戦する可能性があります。これは政府の理屈から言っても、憲法違反の海外での武力行使そのものです。

自衛隊「最初の一発」撃つ危険

 「情け容赦ない戦闘が続いている」。日本共産党の志位和夫委員長は4日の衆院予算委員会で、多数の国連報告書を引用して南スーダンの現状を告発しました。

 数千人が死亡、240万人が家を追われ、20万人が国連施設に逃げ込む―。志位氏が引用した国連報告書は「安全な場所はきわめてわずかになっている」と述べています。

 ところが、17日から18日にかけて、残された「安全な場所」である国連キャンプ内に武器が持ち込まれ、武装集団による衝突が発生。政府軍も加わって住民を殺傷したのです。

 犠牲者のなかには、自宅で襲撃された「国境なき医師団」(MSF)のスタッフ2名も含まれていました。MSFによれば、最初の戦闘は約3時間続き、約600人(大部分は女性と子ども)が病院に避難。25人以上が銃創を負っていました。

 国連報告書によれば、政府軍による南スーダン派遣団(UNMISS)への攻撃や施設への不法侵入が頻発しています。昨年4月14日〜8月19日のUNMISSに対する危害行為102件中92件は政府軍・治安部隊によるものでした。50人もの武装兵が侵入し、避難民を攻撃してテントを焼き払うという今回の事件は、一連の行為の中でも突出しています。

 それでも安倍政権は南スーダンが内戦状態にあることを認めようとせず、戦争法の一部である改定PKO(国連平和維持活動)法に基づいて「駆け付け警護」や「安全確保業務」など自衛隊の任務を拡大し、「妨害排除」のための武器使用まで認めようとしています。今回の事例に即せば、避難民を防護するため、自衛隊が南スーダン政府軍との交戦を余儀なくされます。政府軍には多くの少年兵が駆り出されています。

 戦後、1人の戦死者も出さず、1人の外国人も殺さず、1発の弾も撃ってこなかった自衛隊。このままでは、南スーダンで「最初の1発」を撃つ危険は高まるばかりです。


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