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2016年2月17日(水)

きょうの潮流

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 原子力規制委員会の検討会で、東京電力福島第1原発で増え続ける放射能汚染水対策の議論が続いています。議題の一つが凍土式遮水壁です▼1〜4号機の原子炉建屋周囲1・5キロメートルの土を凍らせ、建屋へ流れ込む地下水をせきとめるといいます。土を凍らせるため、マイナス30度の液体を循環させる凍結管1500本以上を深さ30メートルまで埋めています▼この計画は2013年4月に経済産業省の委員会が決め、国費を約345億円投入。すでに工事も完了しました。しかし、1・5キロメートルという長さや、想定で7年以上の長期凍結期間はかつてない規模です▼凍土式遮水壁を造ることで建屋地下の高濃度汚染水が周囲の土壌に流出する危険があると指摘されますが、対策は取られていません。計画だけが先行した形に危うさを感じます。東電は、汚染水が漏れ出す危険を減らすため、全周を同時に凍結する当初方針を変更し、当面は凍結範囲を一部にすることを規制委に示しました▼敷地内には1日1000トンに及ぶ地下水が流れているそうです。一部は原子炉建屋地下に流れ込み、事故で溶けた核燃料を冷やす水と混ざり、汚染水を毎日増やし続けています。汚染水をためるタンクも余裕が無くなっています▼新たな問題も。護岸近くで汚染地下水が海へ流出するのを防ぐ「海側遮水壁」をつくってから、汚染水が増えたことも記憶に新しいことです。事故収束を阻む汚染水とのたたかいは続きます。発生から5年を迎える福島原発事故の現実です。


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