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2016年1月29日(金)

イエメンでクラスター弾

サウジ連合軍使用認める

国連 「人道への罪」と指摘

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 イエメン内戦に軍事介入しているサウジアラビア主導の連合軍は空爆で市民を標的にしており、人道に対する罪となる可能性がある―。イエメン紛争についての専門委員会による国連の安保理への年次報告書がこう指摘していると、27日、ロイター通信などが報じました。また、国連はサウジ軍が非人道兵器として国際的に禁止の動きがあるクラスター(集束)爆弾を使用しているとの情報を得たとし、サウジ側もこれを認めました。 (呉紗穂)


 同報告書によると、イエメン内戦に直接関与しているすべての組織が国際人道法に違反しており、とりわけ、連合軍による違反は部分的には「広範で体系的に」行われ、人道に対する罪の可能性を指摘しました。

 サウジ連合軍のクラスター爆弾使用については、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が7日の声明で、連合軍が首都サヌアの住宅地でクラスター爆弾を使用したと非難。国連は8日、「人口密集地域で無差別に攻撃するクラスター爆弾などの使用があれば戦争犯罪だ」と指摘していました。

 その後、連合軍の報道官(サウジ将校)がイエメンのイスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」に対し、クラスター爆弾を使用したと認めました。

 一方で、報告書は、「フーシ派」も民間人や病院などに攻撃を行っているとし、人道に対する罪の可能性を指摘しました。

 サウジはイエメンのハディ大統領派を支援。ハディ大統領派と対立する「フーシ派」は、イエメンのサレハ前大統領派と同盟関係にあります。

 サウジは、昨年3月から「フーシ派」を空爆してきました。以来、6000人近くが犠牲となり、その約半数が民間人とされています。

 サウジは米国や英国などの欧米から武器を購入しており、このことも大きな問題となっています。HRWのフィリップ・ボロピオン氏は「米国と英国の両政府はサウジ率いる連合軍へのいかなる武器供与も早急に中止すべきだ」と述べました。


 クラスター(集束)爆弾 親爆弾の中に多数の子爆弾を詰め、空中で破裂し子爆弾を放出し爆発させます。広範囲で無差別に攻撃できるのが特徴で、殺傷能力も高い。不発弾の多さも問題とされています。核兵器や劣化ウラン弾と並ぶ非人道兵器で、2010年に使用、保有、製造を禁止する国際条約が発効しましたが、サウジや米国は加盟していません。


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