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2016年1月20日(水)

宜野湾市長選大激戦

「横一線」のまま終盤へ 24日投票

移設なき返還 大義はシムラ氏に

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 米軍普天間基地問題が最大争点となる宜野湾市長選(24日投票)は、「横一線」のまま大激戦の最終盤に突入します。「オール沖縄」を代表し、普天間基地の「移設条件なしの返還」を掲げるシムラ恵一郎候補は論戦を優位に進めていますが、安倍政権丸抱えの現職も組織をフル稼働。かつてない大接戦です。(宜野湾市長選取材班)


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(写真)訴えるシムラ恵一郎市長候補=19日、沖縄県宜野湾市

 「佐喜真市長に裏切られた」。今回、初めて選挙活動に参加した女性は4年前、普天間基地の「県外移設」を公約した佐喜真氏を支持しました。しかし、基地は動かず、米軍機の爆音も激増しました。市が自衛隊に若者の個人情報約1万人分を提供したことや、県内最悪の待機児童問題でも、現市政に幻滅。「私たちの生活を脅かす普天間基地を辺野古に持っていきたくない。シムラさんを全力で応援したい」

 不動産会社経営の男性も、前回は佐喜真氏を支援しましたが、今回は「県外移設」に言及していないことで気持ちが離れました。「沖縄県民が意思表示しなければ、いつまでも基地がなくならない。辺野古新基地をつくらせないという翁長雄志知事とシムラ候補の強い決意に共感します。政府に屈服した国会議員に支援された佐喜真氏は信用できません」

「無条件閉鎖・ 撤去」がトップ

 県内外のメディアは18〜19日にかけて、宜野湾市長選の世論調査をいっせいに報道。注目されるのは、投票で重視することとして、「基地問題」を挙げた人が圧倒的に多く、普天間基地の解決方法として琉球新報では「無条件の閉鎖・撤去」が35・6%でトップ、「県外移設」「国外移設」あわせて74・4%となりました。

 普天間基地の「移設条件なし返還」、3年以内の爆音停止を掲げ、名護市辺野古の新基地建設に反対するシムラ候補に道理と大義があるのは明らかです。一方、辺野古新基地推進の安倍政権に支えられる佐喜真氏は、普天間基地の「固定化ノー」を言うばかりで、具体的な解決方法を一切、明らかにしていません。

 選挙戦はシムラ、佐喜真両氏が「横一線で並ぶ接戦」(琉球新報)「激戦」(沖縄タイムス)という激しい様相です。

 安倍晋三首相は18日の自民党役員会で、「安全保障政策にかかわる選挙なので、確実に勝ち抜いていきたい」と述べ、佐喜真氏の必勝を指示。なりふりかまわない選挙戦術が展開されています。

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(写真)翁長雄志知事(左)の応援をうけ、訴えるシムラ恵一郎市長候補=18日、沖縄県宜野湾市

佐喜真陣営 政権あげて総力

 「進次郎を聴いて、期日前投票に行こう」

 佐喜真陣営は、自民党の小泉進次郎元内閣府政務官の顔を大写しにしたチラシを配布。19日付の地元紙でも、小泉氏が候補者だとみまがうような全面広告を掲載しています。

 佐喜真陣営は、17日の告示から期日前投票を徹底重視しています。初日の18日には1811人が投票。4年前の625人と比較して3倍近くに達しています。20日夕には、期日前投票所である市民会館前で小泉氏を迎えた「大演説会」を開催。聴衆をそのまま、投票動員する狙いです。

 公明党・創価学会の動きも活発化しています。佐喜真氏は17日の告示第一声で、出身である自民党を差し置いて「公明党の皆さま、支持母体の皆さまに心から感謝申し上げます」と公明党を持ち上げました。

政策を語って

 同時に、今回の選挙では、最後まで迷っている人も目立ちます。地元紙の世論調査によれば、無党派層の4割が投票先を決めていません。その背景には、佐喜真氏が新基地推進派の正体を隠し、「普天間基地の固定化ノー」などといったスローガンでごまかしている点などがあります。

 また、基地問題以外にも有権者の関心は多様化しています。子育て世代では経済・福祉で投票先を考える傾向が顕著です。

 ひやみかち宜野湾うまんちゅの会では、「佐喜真支持」という人との対話で、「シムラさんは翁長知事と一緒になって、辺野古に基地を造らなくても普天間基地をなくすことができる。佐喜真氏の本音は新基地容認で、『移設』にこだわれば結局、普天間基地は固定化する」と話して、シムラ支持に変えた取り組みがすすんでいます。

 子育て世代のママとの対話では、「2年間待っても保育所に入れず、仕事に就けない」と話題になり、「待機児童ゼロ」を掲げるシムラ候補の政策を語って支持をしてもらいました。

最後までの奮闘 勝敗を分ける

 期日前投票はもちろん、最後まで迷っている人への働きかけが決定的です。同会は「全国のみなさん、宜野湾へのお知り合いにシムラ支持の訴えをぜひお願いします」と呼びかけています。

 投票日の棄権防止活動を含め、文字通り、投票箱のふたが閉まるまでの奮闘が勝敗を決します。

「政府に頭下げる市長ダメ」

訴えに男性感激

 大激戦が続く宜野湾市長選。シムラ恵一郎候補(63)は連日、早朝から夜まで街頭で有権者に訴えています。19日の早朝宣伝では、普天間基地の「移設」条件なしの閉鎖・撤去の優位性を強調しながら、「政府が約束した残り3年以内の普天間運用停止の実現に向けて、県と一緒に行程表をつくり、閉鎖・返還に取り組む」と力を込めました。

 朝の散歩中、通りかかった男性(80)は「翁長雄志知事と頑張るシムラさんの決意の強さに感激しています。政府に頭を下げる現市長では基地問題は解決しない」と話していました。


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