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2016年1月13日(水)

宜野湾市長選 市長陣営の「ディズニーリゾート誘致」

“話くゎっち〜”(「話だけ」)

内閣府「聞いていない」

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 沖縄県の宜野湾市長選挙に立候補表明している現職の佐喜真淳(さきま・あつし)市長陣営は、「宜野湾市の未来予想図」と銘打ったチラシを市内全域で配布しています。そのトップにかかげる「(普天間基地の返還跡地に)ディズニーリゾート誘致を実現します」に、市民の間から「話くゎっち〜」(沖縄の方言で「話だけ」の意味)など疑問の声があがっています。(山本眞直)


シムラ市長予定候補

街づくり「地主さん、市民と知恵を出す」

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(写真)「ディズニーリゾート誘致」を選挙公約の目玉にした現職陣営のチラシ

 この誘致構想は、昨年12月8日、首相官邸で佐喜真市長が菅義偉官房長官に協力を要請。同官房長官が「全面的に協力したい」と表明しました。

選挙公約の目玉

 同陣営は、市長選に向けた印刷物で「(現職市長が)オリエンタルランド社へトップセールスし、政府へ全面支援を要請して一気に動き出した。実現可能性は十分。みんなの熱意でミッキーやミニーを宜野湾に呼びましょう」と選挙公約の目玉に位置づけ、盛んにアピールしています。ところが―。

 「何も聞いていません。(市長からの)要望書も下りてきていません」。年明け早々、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員からディズニーリゾート誘致について説明を求められた沖縄振興担当の内閣府職員はこう語り、「(説明には)うかがえない」と回答。赤嶺氏が内閣官房に問い合わせても「(市長の)官房長官への要請には、同席しただけで担当ということではありません」とのべました。

 赤嶺氏は12日、衆院予算委員会でこの問題を島尻安伊子沖縄担当相にただしましたが、「具体的内容は差し控える」と答えるのみでした。

 肝心のオリエンタルランド社はどうか―。

 「オリエンタルランド社広報は、『市長と島尻安伊子沖縄担当相から要請があったが具体的な計画は白紙。現段階で話せることはない』とコメントした」(沖縄タイムス12月9日付)

 毎日新聞は「実際は、『構想を最初に提案したのは菅氏』と政府関係者は明かす」(12月20日付)と報道。宜野湾市長選をにらんだ官邸主導の振興策との見方を伝えています。

保守県議も怒る

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(写真)街頭で普天間基地の返還跡地利用について市民とつくるまちづくりをとマイクで訴えるシムラ恵一郎予定候補

 市長が普天間基地の返還跡地利用をめぐって、昨年12月8日以前に政府に提出した要請事項には「ディズニーリゾート」はおろか「リゾート」の文字すらありませんでした。

 「普天間基地の返還跡地利用は地主の頭越しにはやらないと、国や県、市との間で合意されているが、ディズニーリゾート誘致は誰も知らない。誰が見たって選挙誘導そのものだ」。宜野湾市選出で保守系無所属の呉屋宏県議は、菅官房長官への要請翌日の県議会で、この問題を取り上げました。

 呉屋県議は前回の市長選では現市長を応援しましたが、今回はシムラ市長予定候補の勝利に全力をあげています。

 同県議は、米軍西普天間住宅地区の地主でつくる跡地利用促進委員会会長。国と市長の“暴走”に怒りをこめて語りました。

 「あれは市長だけでできることではない、官邸が仕掛けたものだ。市長は街づくりを政府に頼り、ディズニーリゾート誘致も、肝心の地主の意見も聞かずに勝手に持ち出した。普天間基地の返還跡地は全部自分のものと思っているのではないか」

 普天間基地の移設条件なしの閉鎖・返還をかかげるシムラ恵一郎市長予定候補は、街づくり施策でも、こう訴えて共感を広げています。「相談するのは政府とではない。地主さんや市民と知恵を出すことが何より大事です」


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