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2016年1月4日(月)

選択的夫婦別姓に背 「靖国」派主導政権

最高裁判決は国会での議論促す

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 民法の夫婦同姓の強制について最高裁が初の憲法判断(昨年12月16日)を示したことを受け、「選択的夫婦別姓」に背を向ける安倍政権の姿勢が問われています。

 最高裁判決は、夫婦同姓の強制は「合憲」としつつも、制度のあり方については「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と述べ、国会での議論を促しました。

法制審も答申

 この問題では1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入などを答申。国連女子差別撤廃委員会も繰り返し是正勧告を出しています。ところが、歴代政権は法整備に背を向けてきました。背景には、別姓は「家族の一体感を損なう」として同姓の強制を継続しようとする侵略戦争美化の「靖国」派による抵抗があります。

 1997年以降、日本共産党をはじめ野党が共同で選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を繰り返し提出してきましたが、自民党政権は改正に難色を示してきました。

 選択的夫婦別姓を公約に掲げた民主党政権が09年に誕生、野党共同改正案の発議者だった千葉景子氏が法相になったことから実現の機運が高まりました。しかし、このときも自民党の稲田朋美衆院議員をはじめ「靖国」派は、「家族は日本民族の永続というところから、夫婦と子ども、そういった家族の原型、原則型を法制度の中に書いていることに合理性がある」(稲田氏)「夫婦別姓は、日本の戸籍のなかで家族が単位だから、家族を結果的に破壊、崩壊させることにつながる」(下村博文衆院議員)などと批判。結局、民主党政権は改正案を提出できませんでした。

 自民党は2010年参院選で「民主党の夫婦別姓導入法案に反対し、日本の家族の絆を守る」と公約。安倍晋三首相は当時、稲田氏らとの雑誌会談で「夫婦別姓は家族の解体を意味する。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)」(『WiLL』、10年7月号)と述べ、個人の尊厳・両性の平等など憲法に基づく改正を「家族の解体」とゆがめて攻撃しました。

閣僚になると

 第2次安倍政権は、侵略戦争を美化し、選択的夫婦別姓にも批判的な「靖国」派を多数入閣させ、夫婦別姓に賛成してきた女性議員も閣僚になると民法改正に背を向けました。

 日本共産党の畑野君枝衆院議員は昨年3月、入閣前に夫婦別姓に賛同していた上川陽子法相(当時)に「最高裁判断を待つまでもなく、政府として民法の差別規定をなくすべきだ」と求めましたが、上川氏は「最高裁判断を注視したい」としか答えませんでした。日本共産党は民主党などの野党とともに6月、改正案を提出しました。

 最高裁判決を受けて菅義偉官房長官は「慎重に対応していくことが大事」(12月16日)と速やかな法整備には後ろ向きです。女性の社会進出が大きく進み、結婚や家族の実態も国民の意識も変化したもとで、民法改正を求める国民・女性の願いを受けとめ、憲法と国際法に立った改正に取り組むかどうかが問われています。(鎌塚由美)


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