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2015年12月23日(水)

きょうの潮流

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 山梨の温泉に行った帰り道でした。シェアハウスで暮らし、都会生活を分かち合ってきた20代の若者たち。楽しかったであろう旅の思い出話を車内で語り合っていたはずなのに…▼「結婚して2週間。自分の人生で、最も幸せ絶頂期に、あなたがくれたプレゼントは、あなたの死という最低なものでした」。姉を亡くした妹。〈トンネルの天井落下の報ありて 遠き娘におはようメール〉。いくら待っても娘から返信がなかった父親▼天井板が崩落し、9人の命が奪われた中央道笹子トンネルの事故から3年。仲良しだった男女5人の遺族が訴えていた裁判は、トンネルを管理する中日本高速道路と点検担当の子会社の過失を認めました▼事故は予見でき、入念な点検方法を採用すべき注意義務を怠った―。老朽化していたトンネルに適切な点検をしていれば事故は回避できたとする判決は、「防げなかった」「想定外」とくり返してきた中日本側への痛烈な批判になりました▼利権の温床となり、自民党の無謀な道路行政によって巨額の借金を積み重ねた道路公団。それが民営化され、コスト削減が至上命令になるなか、安全点検の手抜きによる災禍は後を絶ちません▼いま「国土強靱(きょうじん)化」のもとで不要不急の公共事業が復活しています。災害や老朽化対策をはじめ、国民の安全を守る課題は山積しているのに。「何年たっても何十年たっても、事故を忘れることも、家族を忘れることも、悲しみを忘れることもできません」。遺族は問いかけます。


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